奈良国立博物館の正倉院展です。
今年もこの季節がやってきました。
特別展「第74回 正倉院展」 | 2022 |
特別展「第75回 正倉院展」 | 2023 |
特別展「第76回 正倉院展」 | 2024 |
概要
↑は毎年更新されそうなので、↓に奈良国立博物館の特別展のページも載せておきます。
展覧会 | 期間 |
---|---|
[特別展] 第76回 正倉院展 | 2024/10/26 ~ 2024/11/11 |
正倉院に収納されていた整理済の宝物の約9000件から毎年60点前後が公開される展覧会です。
※整理済は西宝庫、整理中は東宝庫に収蔵。
今年は初出陳11点を含む57点が出陳されています。
(模造を含む)
公式サイトの一覧には前回出陳年も記載されています。
感想
今回の一番の目玉は鏡(No.14)です。
あとはガラス製の魚(No.17)と肘掛(No.6)です。琵琶は無いです。
個人的には木箱(No.31)、刀(No.9,10)も良かったです。
今年は16:00からの予約にしました。
春日大社に寄りたかった、遅い方が空いていそう、時間に余裕があった、レイト割、と言う理由から16:00にしました。
16:15分位に到着した時点では外で並んでて、中も混んでました。
第1~2章をじっくり見たかったので、とりあえず後回しにして後半を先に見ました。
17時前に戻ると思っていたよりも空いてました。
17時の予約分も少なかったようで、その後も混むことは無かったです。
おかげ様で17時以降は快適に鑑賞できました。
正倉院展でこんなに快適な時間帯があるとは・・・。
・レイト割
月~木 :16~18時
金土日祝:17~20時
鹿草木夾纈屛風
No | 作品名 | 備考 |
---|---|---|
5 | 鹿草木夾纈屛風 | 1章 |
正倉院展ではお馴染みの「夾纈」の染物です。
左右対称なのは折った状態にして、板で挟んで染めたからだそうです。
右側の方が若干境界がはっきりしているのは板の状態に違いがあったのかな?
・夾纈
板で挟んで防染する板締め染め。
天平の代表的な染色法を集めた「三纈」の1つ。
残り2つは下記です。
・纐纈
絞り染め。京都の絞り染めは今でも有名。
・﨟纈
蝋で防染。型で蝋を押し付ける。
下記に3種類の比較画像が載っています。
紫地鳳形錦御軾
No | 作品名 | 備考 |
---|---|---|
6-1 | 紫地鳳形錦御軾 | 1章 |
6-2 | 模造 紫地鳳形錦御軾 | 〃 |
参考 | 御軾模造製作資料 | 〃 |
肘置きです。
使用感があって良いですね。
畳を使った硬めのクッションのようなイメージです。
映像コーナーで特集されているので、合わせて見たい作品です。
黒作大刀/無荘刀【落書】
No | 作品名 | 備考 |
---|---|---|
9 | 黒作大刀 | 2章 |
10 | 無荘刀 | 〃 |
両方とも刀身が綺麗です。
奈良時代というのが信じられません。
<黒作大刀>
鋒の境界部分の筋「横手」が無いです。
鞘に黒漆が使われています。
<無荘刀>
太いです。
「横手」と、刀身の中央の筋「鎬筋」も無いです。
派手さはないですが、整っている刀です。
紐類残欠/水精長合子など
No | 作品名 | 備考 |
---|---|---|
12 | 紐類残欠 | 2章 |
13-1 | 雑色縚綬帯 | 〃 |
13-2 | 水精長合子 | 〃 |
13-3 | 黄楊木把鞘刀子 | 〃 |
<水精長合子>
大きめの水晶が紐に覆われていました。
水晶単体でも見てみたいです。
<黄楊木把鞘刀子>
小刀です。
小さくても装飾が付いています。
黄金瑠璃鈿背十二稜鏡
No | 作品名 | 備考 |
---|---|---|
14 | 黄金瑠璃鈿背十二稜鏡 | 2章 |
チラシの表紙に使われた作品です。
正倉院にある鏡のうち唯一七宝が使われています。
黄と緑のガラスが鮮やかで綺麗です。
瑠璃小尺
No | 作品名 | 備考 |
---|---|---|
16-1 16-2 | 碧瑠璃小尺 黄瑠璃小尺 | 2章 |
16-3 | 模造 緑瑠璃小尺 模造 黄瑠璃小尺 | 〃 |
尺(定規)の形をしたガラス細工です。
サイズが小さいので実用的なものではなくアクセサリー的なものですね。
緑は金、黄は銀で目盛りが描かれています。
黄に銀は見辛いです。
実用的ではないですね。
「模造」はガラス工芸家の迫田岳臣氏により再現模造です。
「再現模造」は見た目だけでなく素材や技法も再現したものです。
瑠璃魚形
No | 作品名 | 備考 |
---|---|---|
17-1 17-2 17-3 17-4 | 深緑瑠璃魚形 浅緑瑠璃魚形 碧瑠璃魚形 黄瑠璃魚形 | 2章 |
17-5 | 模造 深緑瑠璃魚形 模造 浅緑瑠璃魚形 模造 碧瑠璃魚形 模造 黄瑠璃魚形 | 〃 |
魚の形をしたガラス細工です。
こういう飴やグミがあっても良さそうです。
No.16と同じくガラス工芸家の迫田岳臣氏により再現されたものです。
NHKの日曜美術館で紹介されていたのですが、色を出すのに苦労したそうです。
溶けたガラス(700℃)を混ぜるのに竹串を使い、竹串を燃やすことであえて炭を少し混ぜるといった方法をとっていました。
技法を再現するのも大変な作業です。
呉楽鼓撃襪
No | 作品名 | 備考 |
---|---|---|
29 | 呉楽鼓撃襪 | 3章 |
楽舞用の靴下です。
形は伸びた感じに見えますが、デザインは今も使えそうです。
緑地彩絵箱/玳瑁八角杖
No | 作品名 | 備考 |
---|---|---|
30 | 緑地彩絵箱 | 4章 |
36 | 玳瑁八角杖 | 〃 |
縁は金箔と顔料で玳瑁を再現し、脚は金箔と墨で金具を再現しています。
玳瑁はNo.36で実物を見れます。
沈香木画箱
No | 作品名 | 備考 |
---|---|---|
31 | 沈香木画箱 | 4章 |
寄木細工を使って描かれた木画の箱です。
細かいパーツが使われており、色も綺麗に使い分けられています。
現代の作品と言われても納得します。
人気投票したら上位にきそうな作品です。
白布幡/赤布幡/縹布幡
No | 作品名 | 備考 |
---|---|---|
43 44 45 | 白布幡 赤布幡 縹布幡 | 4章 |
白と赤と縹(青)の旗です。
三色団子の色ですね。
黒(紫)、黄の二色を足して五色だった可能性があるそうです。
紫檀金銀絵書几
No | 作品名 | 備考 |
---|---|---|
57 | 紫檀金銀絵書几 | 6章 |
参考 | 模造 紫檀金銀絵書几 | 〃 |
巻物を広げて読む為の台です。
模造品では実際に巻物を置いた状態で見れます。
左右に回して巻けそうですが、挟んでいるので難しいようです。
使い方が違うかもしれませんし、欠落してる部品がある可能性もあります。
受け皿になる部分に模様がありますが、そんなに擦れた感じではなかったので、実用的なものではなかったかもしれません。
置いて挟む台だったのかも。
以上
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