北野天満宮宝物殿の特別展です。
今日の主目的は大将軍八神社方徳殿でしたが、ちょうど開催中だったので行ってきました。
概要
展覧会 | 期間 |
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[特別展] 天満宮の至宝 ー北野刀剣の世界ー | 2024/10/25 ~ 2024/12/08 恒次:10/25~11/15 鬼切丸(髭切):11/16~12/08 |
北野天満宮に奉納されている刀が勢揃いしています。
※「鬼切丸」は11/26から「恒次」と入れ替わりになる為、要注意です。
展示ケースも指物師が作られたようで、木製の立派なケースでした。
「北野天宮刀剣番付」がありました。
三役と前頭以下の展示品を抜粋してます。
地位 | 西之方 | 東之方 |
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横綱 | ー | 27 鬼切丸(髭切)※11/16~ |
大関 | 28 備州長船師光 32 助守 | 25 恒次 ※~11/15 15 國広 |
関脇 | 17 月山貞勝 30 清則 | 24 大慶直胤 |
小結 | 23 猫丸 — 二王正綱 | — 相州住助廣 19 濃州関住兼春 |
前頭 | 20 兼常 | 22 松平姓源定長 40 藤原金道 34 下坂甚兵衛為利(巴型薙刀) 35 静形薙刀 21 兼房 |
感想
木瀬浄阿弥|日本地図鏡
No | 作家名 | 作品名 | 年 | 備考 |
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1 7 | 木瀬浄阿弥 | 日本地図鏡 加藤清正公奉納 懸鏡 豊臣秀頼公奉納 | 桃山時代 桃山時代(1607) | 鏡 |
<日本地図鏡>
木瀬浄阿弥は鏡師で、平安時代の行基図を下絵に作られています。
台座も梅が彫られて立派なものです。
こちらは明治8年に作られたものです。
地図の下には「天下一鏡屋木瀬浄阿弥作」と刻まれています。
清正に依頼されて天満宮に奉納される位だから、単なる自称ではなく評価も高かったと思われます。
・行基図
奈良時代の僧の行基が作った日本地図。
当時の物は現存しておらず、奈良時代から江戸時代に作られた地図は行基図を原型としており、「行基式日本図」とも呼ばれる。
<懸鏡>
御本殿の内部飾りに使われていた鏡です。
木瀬は京都で活動していましたが、福井へ移ったようです。
福井にある毛谷黒龍神社の鏡も手掛けていて、YouTubeで紹介してる動画がありました。
(行ったことある神社でしたが、記憶が…)
ちなみに、木瀬の子孫は明治時代に福井県でスーパーマーケット「ユース」を開業しています。
いわゆるご当地スーパーで、福井県内では有名だったようです。
(現在はスーパーマーケットのバローと合併)
北野天神縁起絵巻【落書】
No | 作家名 | 作品名 | 年 | 備考 |
---|---|---|---|---|
3 4 14 | ー | 北野天神縁起絵巻 巻3 朱雀院行幸 巻4 恩賜御衣 巻5 石榴天神/清涼殿落雷(時平抜刀)/鴨川渡水 | 鎌倉 平成の複製 | 書画 |
雷を落とす場面は有名ですね。
雷神は菅原道真自身です。
(大関)恒次
No | 作品名 | 年 | 備考 |
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25 26 | 銘 恒次 太刀 恒次 梨地糸巻太刀拵 | 鎌倉 1702 | 太刀 |
直刃が綺麗な刀です。
天下五剣の一つ「数珠丸恒次」を打った人物です。
拵は水色の柄糸と緒で巻かれているのが印象的です。
爽やかな色です。
(大関)信濃守國広
No | 作品名 | 年 | 備考 |
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15 16 | 銘 北野天満天神豊臣秀頼公御造営之時 于時慶長十二丁未十一月日信濃守國広造 金梨地松梅蒔絵飾太刀拵 | 1607 | 太刀(刀) |
現在の御本殿は1607年に豊臣秀頼が再建したもので、その時に奉納された刀です。
鞘には松と梅が描かれています。
(大関)備州長船師光
No | 作品名 | 年 | 備考 |
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28 29 | 銘 備州長船師光 太刀 師光 金置平目地蛸糸巻太刀拵 | 1402 1752 | 太刀 |
細めの刀身でスレンダーですね。
刃文はやや湾れ(波)が出ていますが、主張し過ぎず、スタイリッシュな刀です。
(大関)助守
No | 作品名 | 年 | 備考 |
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32 33 | 銘 助守 太刀 助守 金置平目地蛸糸巻太刀拵 | 鎌倉 1852 | 太刀 |
助守は福岡一文字派の刀工です。
「山鳥毛」で有名な一派ですが、こちらはスッキリした刃文です。
聞いたことあると思ったら、岡山県立博物館で見てました。
(関脇)大慶直胤/月山貞勝/清則
No | 作品名 | 年 | 備考 |
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24 | 銘 大慶直胤(花押)彫よしたね 文化七年仲春上旬 | 江戸後期 | 短刀 |
17 18 | 銘 奉納北野天満宮宝前昭和二年二月侯爵前田利為 大阪住人月山貞勝謹作 太刀 月山 金梨地鳳凰螺鈿松梅蒔絵飾太刀拵 | 1927 | 太刀 |
30 31 | 銘 清則作 太刀 清則 金置平目地蛸糸巻太刀拵 | 1486 1802 | 太刀 |
<大慶直胤>
刀身に彫られているのは「渡唐天神像」です。
室町時代の天神が宋の高僧に禅を学んだという不思議な伝説が元になっています。
「渡宋天神像」とも言われます。
菅原道真は唐の時代の人間なので変な伝説ですが、天神様になった後に学びにいったのであればありなのかな?
<月山貞勝>
鋒が両刃になっていて、反りがなく、剣に近いです。
鞘は蒔絵に螺鈿の鳳凰やカラフルな宝玉で豪華に飾られていますが、古代風の印象もあります。
正倉院の刀子を思い出しました。
<清則>
清則は備前吉井派で、室町時代の刀工です。
菅原道真900年御神忌の1802年に太刀拵と共に奉納された刀です。
(小結)濃州関住兼春/猫丸
No | 作品名 | 年 | 備考 |
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19 | 銘 濃州関住兼春 | 室町 | 刀 |
23 | 銘 猫丸 | 室町 | 脇差 |
<濃州関住兼春>
濃州関は現在の岐阜県関市で、今も刃物の街として知られています。
<猫丸>
可愛い名前ですが由来は怖いです。
壁に立てていた所に猫が走ってきたら真っ二つになったとか。
(前頭)松平姓源定長 など
No | 作品名 | 年 | 備考 |
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22 | 銘 従四位下行豫陽太守兼隠州刺史松平姓源定長 奉寄進 | 江戸 | 脇差 |
40 | 銘 (菊紋)日本鍛冶宗匠伊賀守藤原朝臣金道 奉納天満宮宝前享保六辛己年九月十二日 | 江戸 | 太刀 |
34 | 無銘(静形薙刀) | 室町 | 薙刀 |
35 | 銘 奉納北野天満大自在天神宝前藤原氏奥 延宝七年某月陸奥会津住下坂仁兵衛為則作 (巴形薙刀) | 江戸 | 薙刀 |
21 | 銘 兼房 | 桃山 | 脇差 |
20 | 銘 兼常 | 室町 | 刀 |
<松平姓源定長>
包丁のような太さです。
こんな脇差もあるんですね。
<静形薙刀/巴形薙刀>
巴形は「女薙刀」と呼ばれ、反りが深いです。
静形は「男薙刀」と呼ばれ、反りが浅いです。
以上
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