東京国立博物館の本館です。
予定の都合上、今回はここだけ見てきました。
午前中に1階を見て、午後から東京藝術大学の大吉原展を見てから残りの時間で2階を見ました。
概要
展覧会 | 期間(* テーマ毎で異なる) |
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<1F/2F> ・特別企画「令和6年 新指定 国宝・重要文化財」 | 2024/04/23~ 2024/05/12 |
<2F> ・日本美術の流れ 日本美術のあけぼの/仏教の興隆 など ・天皇の乗物 ・根付 高円宮コレクション | 2024/01/02 ~ 2024/07/15 (*) 2024/04/02 ~ 2025/03/31 2024/04/09 ~ 2024/06/23 |
<1F> ・体験型展示スペース 日本美術のとびら/日本文化のひろば ・ジャンル別展示 彫刻/漆工/金工/刀剣/陶磁 など 特集「行道面 ほとけを演じるための仮面」 | 2024/04/01 ~ 2025/03/31(*) 2023/09/12 ~ 2025/03/31(*) 2024/04/02 ~ 2024/05/26 |
期間ごとで展示の入れ替えがありますが、常に名品が沢山展示されています。
巡回展
・なし
感想(本館)
広いので本館だけでも見応えがありました。
ジャンルも沢山あるので、何かしら気になるものが見つかります。
1階から見ましたが、番号順は2階からでした。
まぁ、量が多いので見たい所から見れば良いですね。
特別4室ではスタンプで浮世絵の体験ができます。
順番に押せば誰でも簡単にできます。
5つのスタンプを順番に押せば完成です・・・いや、アイメイクの位置がおかしい!!
1つ目と2つ目がずれていたようです。
2日後に千葉市美術館で再挑戦しています。
こちらは歌川広重の「名所江戸百景 亀戸天神境内」です。
銅造観音菩薩立像/不動明王立像
No | 作家名 | 作品名 | 年 | 期間 | 備考 |
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重文15 | ー | 銅造観音菩薩立像 | 7世紀 | ~5/12 | 11 彫刻/奈良・法隆寺 |
C1525 | ー | 不動明王立像 | 11世紀 | ~7/7 | 11 彫刻 |
<銅造観音菩薩立像>
2024年、新たに重要文化財に指定された仏像です。
玉虫厨子に安置されていたものです。
腰のくびれと曲線が飛鳥時代を感じさせます。
<不動明王立像>
片目をつぶってウインクしているみたいです。
不動明王では時々見られる形式のようですが、薄く開けているとも言われてます。
「天地眼」ともいい、天から地まで見渡すという意味だったり、閉じた目で災いを退けるなどの意味があるようです。
桜鷹文象嵌太刀架
No | 作家名 | 作品名 | 年 | 期間 | 備考 |
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H-4625 | ー | 桜鷹文象嵌太刀架 | 19世紀 | ~6/2 | 12 漆工/芝山細工 |
刀を立てる台で、梨地が綺麗。
くぼんだ部分を触ると気持ち良さそう。
花や鳥は「芝山細工」と言う貝や鼈甲を彫刻したものを象嵌(嵌め込む)する技法が使われています。
梅鉢紋蒔絵伏籠/桜蒔絵阿古陀香炉
No | 作家名 | 作品名 | 年 | 期間 | 備考 |
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H-4418 | ー | 梅鉢紋蒔絵伏籠 | 19世紀 | ~6/2 | 12 漆工 |
H-533 | ー | 桜蒔絵阿古陀香炉 | 16~17世紀 | ~6/2 | 12 漆工 |
何の道具かと思ったら、衣服に香を焚く為の道具とのこと。
中央にあるのは阿古陀瓜というカボチャの一種の形をした香炉です。
童子切安綱
No | 作家名 | 作品名 | 年 | 期間 | 備考 |
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F-19931-2 | 伯耆安綱 | 太刀(名物 童子切安綱) | 10~12世紀 | ~5/26 | 13-2 刀剣/国宝 |
F-19931-1 | ー | 梨地糸巻太刀(童子切安綱の拵) | 17世紀 | ~5/26 | 13-2 刀剣 |
天下五剣の一つ、「童子切安綱」です。
東博の定番ですね。
・天下五剣
童子切安綱(東博)
三日月宗近(東博)
鬼丸国綱(宮内庁)
大典太光世(東京・前田育徳会)
数珠丸恒次(兵庫・本興寺)
色絵桜花鷲文大空/色絵獅子鳳凰文有蓋大壺
No | 作家名 | 作品名 | 年 | 期間 | 備考 |
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G-5855 | ー | 色絵桜花鷲文大皿 | 18世紀 | ~6/2 | 13-3 陶磁 |
G-5844 | ー | 色絵獅子鳳凰文有蓋大壺 | 18世紀 | ~6/2 | 13-3 陶磁 |
海外向けに作られた伊万里焼の皿と壷。
金は使われていますが、全体的に派手過ぎなくて良い配色です。
中央に描かれている獅子は「阿」と「吽」の口をしています。
増上寺古写真
No | 作家名 | 作品名 | 年 | 期間 | 備考 |
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R-628 R-629 R-633 R-635 R-627 R-582 R-583 R-590-1 R-599-1 R-613 R-619 R-625 | ー | 増上寺本堂 増上寺本堂 増上寺三門 増上寺黒本尊堂 増上寺経蔵 増上寺二代将軍唐門 増上寺二代将軍総門 増上寺三代将軍舎弟勅額門 増上寺六代将軍総門 増上寺七代将軍総門 増上寺七代将軍鐘楼堂 増上寺十二代将軍拝殿門 | 19世紀 | ~5/12 | 15 歴史の記録 |
明日行く予定だった増上寺の古写真12枚です。
5/14からは入れ替えがあります。
せっかくなので、現在の姿を比較してみます。
残念ながら戦災で焼失している為、殆ど比較できませんが、本堂、三門、経蔵の現在の写真です。
増上寺にある徳川将軍家墓所の解説板にも古写真があったので、一緒に載せておきます。
アイヌと琉球
No | 作家名 | 作品名 | 年 | 期間 | 備考 |
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K-28614 K-27386 K-27889 | ー | 樺皮箱 笠(樺皮製) 陣羽織 | 19世紀 | ~5/19 | 16 アイヌと琉球 |
K-25959 K-25988 K-25995 | ー | ヤーシグヮー(椰子実製酒器) クバオージ(久葉製扇) 笠(久葉製) | 19世紀 | ー ~5/19 ~5/19 | 16 アイヌと琉球 |
アイヌの曲線を使った模様が面白い。
ケルト文様も曲線が印象的なので、自然に近い生活をしているとイメージが似てくるのかも。
陣羽織は和人との戦いに使われたものだろうか。
どちらの文化も独特ですが、展示が少なかったので、もう少し見たかった。
森川杜園|牝牡鹿
No | 作家名 | 作品名 | 年 | 期間 | 備考 |
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C-234 | 森川杜園 | 牝牡鹿 | 1892 | ~5/26 | 18 近代の美術 |
剥製かと思ったら木造彩色の彫刻でした。
1893年世界コロンブス記念博覧会(シカゴ万博)に出品されたものです。
鈴木長吉|鷲置物
No | 作家名 | 作品名 | 年 | 期間 | 備考 |
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E-13034 | 鈴木長吉 | 鷲置物 | 1892 | ~5/26 | 18 近代の美術 |
羽根までリアルな銅製の置物。
こちらも1893年世界コロンブス記念博覧会(シカゴ万博)に出品されたものです。
五姓田芳柳|勿来関
No | 作家名 | 作品名 | 年 | 期間 | 備考 |
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A-1207 | 五姓田芳柳 | 勿来関 | 19世紀 | ~5/26 | 18 近代の美術 |
五姓田派は名前が印象的なので覚えがあります。
綺麗な風景画が多い印象です。
以前書いた記事だと五姓田義松と二世五姓田芳柳がいました。
床次正精|嵐山
No | 作家名 | 作品名 | 年 | 期間 | 備考 |
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A-11317 | 床次正精 | 嵐山 | 19世紀 | ~5/26 | 18 近代の美術 |
渡月橋かな?
現在の川幅より狭い気がしますが、1934年に再建されているので、再建前ですね。
為家本時代不同歌合絵
No | 作家名 | 作品名 | 年 | 期間 | 備考 |
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A-19 | ー | 為家本時代不同歌合絵 | 14世紀 | ~5/19 | 3 宮廷の美術 |
色んな時代の歌人の歌と肖像が描かれています。
大河ドラマ「光る君へ」で話題の紫式部の部分が展示されていました。
雪舟等楊|益田兼尭像(模本)
No | 作家名 | 作品名 | 年 | 期間 | 備考 |
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A-9796 | 雪舟等楊 (模写:森田亀太郎) | 益田兼尭像(模本) | 1935 原本15世紀 | ~6/2 | 5 武士の装い |
益田兼尭(兼堯)は15代益田城主(現在の島根県)で、雪舟とは親交があったと言われいます。
京都国立博物館の特別展「雪舟伝説」を見に行く予定なので、注目です。
伝岩佐又兵衛|故事人物図屏風
No | 作家名 | 作品名 | 年 | 期間 | 備考 |
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– | 伝岩佐又兵衛 | 故事人物図屏風 | 17世紀 | ~5/19 | 7 屏風と襖絵 |
画題ははっきりしていないようですが、源氏物語の「桐壺」や浪曲の「蟻通」、「住吉詣」などが上げられています。
曽我蕭白|蝦蟇鉄拐図屏風
No | 作家名 | 作品名 | 年 | 期間 | 備考 |
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– | 曽我蕭白 | 蝦蟇鉄拐図屏風 | 18世紀 | ~5/19 | 7 屏風と襖絵 |
一目で蕭白だとわかりました。
少しグロテスクな仙人です。
本阿弥光悦|和歌巻
No | 作家名 | 作品名 | 年 | 期間 | 備考 |
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B-2513 | 本阿弥光悦 | 和歌巻 | 17世紀 | ~5/19 | 8-2 書画の展開 |
「紅葉」、「神無月」などの文字があるので、秋~冬の歌が書かれていそうです。
背景には金銀でススキが描かれており、本阿弥光悦らしいデザインに仕上がっています。
円山応挙|写生帖(乙帖)
No | 作家名 | 作品名 | 年 | 期間 | 備考 |
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A-168-2 | 円山応挙 | 写生帖(乙帖) | 18世紀 | ~5/19 | 8-2 書画の展開 |
応挙の写生は綺麗です。
蛍は羽根を広げている所や、裏返した状態が描かれています。
岸連山|猪図
No | 作家名 | 作品名 | 年 | 期間 | 備考 |
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A-10050 | 岸連山 | 猪図 | 19世紀 | ~5/19 | 8-2 書画の展開 |
画面一杯に描かれて迫力がある猪です。
正に猪突猛進。
歌川広重|義経一代圖會/義經一代記之内
No | 作家名 | 作品名 | 年 | 期間 | 備考 |
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A-10569-3182 | 歌川広重 | 義経一代圖會 二回 鞍馬山僧正か谷におゐて 牛若丸異人に剱法を学ふ | 19世紀 | ~5/12 | 10 浮世絵と衣装 |
A-10569-6656 A-10569-3184 | 歌川広重 | 義經一代記之内 間道に趣て義経鵯越の嶮峻難所をよぢ登る 義経智略一の谷鵯越逆落し | 19世紀 | ~5/12 | 10 浮世絵と衣装 |
A-10569-6660 | 歌川広重 | 熊谷敦盛組討 | 19世紀 | ~5/12 | 10 浮世絵と衣装 |
風景が綺麗に見えるのは広重ならでは。
参考ですが、国芳が描いた鵯越の絵です。
畠山重忠が馬を担ぐのは定番ですかね。
歌川国芳|大谷古猪之助/和藤内虎狩之圖
No | 作家名 | 作品名 | 年 | 期間 | 備考 |
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A-10569-5420 | 歌川国芳 | 本朝水滸傳豪傑八百人一個・ 大谷古猪之助 | 19世紀 | ~5/12 | 10 浮世絵と衣装 |
A-10569-5328~ A-10569-5330 | 歌川国芳 | 和藤内虎狩之圖 | 19世紀 | ~5/12 | 10 浮世絵と衣装 |
国芳の絵を2つ。
和藤内は加藤清正のことです。
この頃は天正年間以降の武将を描くことが禁止されていて、名前を変えていたそうです。
「天明の大飢饉」、「寛政の改革」から幕府への不満が増え、1797年に秀吉の生涯を描いた「絵本太閤記」に人気が出た為、幕府は1804年に徳川家や天正年間の武将を禁止にしたようです。
感想(庭園)
庭園
外に出て気分転換するのに良いです。
応挙館は中に応挙の描いた襖絵(複製)があります。
現在は期間限定(2024年7月31日まで)でカフェになっています。
以上
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