東京にある国立科学博物館の日本館です。
初めての来館です。広くて見るのが大変でした。
体力と時間を考えないと、後半はじっくり見れなくなります。
・国立科学博物館(日本館)
・国立科学博物館(地球館)/明治安田ヴィレッジ丸の内
概要
展覧会 | 期間 |
---|---|
常設展 | ー |
[企画展] 高山植物 高嶺の花たちの多様性と生命のつながり | 2024/07/30 ~ 2024/11/04 |
日本館では日本の自然や生き物に関して展示されています。
1階の北翼では期間ごとに企画展が開催されます。
地球館と合わせると相当な規模になるので、体力と時間を考えて見る必要があります。
ゆっくり見ると半日ぐらいは余裕でかかります。
途中から流し見しても4時間以上かかりました。
レストランや飲食スペースは混雑しますが、総合案内で日付スタンプを貰えば再入場可能です。
感想(日本館)
糟谷謙三|日本館
作家名 | 作品名 | 年 | 備考 |
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設計:糟谷謙三 文部省大臣官房建築課 | 日本館(旧東京科学博物館本館) | 1931 | ー |
デザイン:伊東忠太 制作:小川スツヂオ(小川三知) | ステンドグラス | 1931 | ー |
重要文化財に指定されています。
上から見ると飛行機の形をしており、翼の部分が展示室になっています。
なので、それぞれの展示エリアを北翼、南翼という言い方をしています。
1階正面入口は現在使われていません。
地下1階からの入場になります。
中央ホールから上を見上げると万華鏡みたいになっていて綺麗です。
ステンドグラスも良いです。
両翼の先端にある階段ホールにもステンドグラスがありました。
デザインは一緒ですが、多少の色の差はあります。
感想(常設展)
渋川春海|貞享暦/旧暦/太陽暦
作家名 | 作品名 | 年 | 備考 |
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渋川春海 | 貞享暦 | 1729 | 1F南:1.天を知るー天球儀・天文ー |
ー | 貞享暦の版木 | 1688 | 〃 |
ー | 最後の旧暦 | 1872 | 〃 |
ー | 未使用の旧暦 | 1873 | 〃 |
ー | 日本初の太陽暦 | 1873 | 〃 |
渋川春海は映画化もされた小説「天地明察」でも話題になりました。
未使用の旧暦もあったんですね。
興味深いです。
渋川春海|天球儀、地球儀
作家名 | 作品名 | 年 | 備考 |
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渋川春海 | 銅製天球儀『渾天新図』 | 1673 | 1F南:1.天を知るー天球儀・天文ー |
渋川春海 | 紙張子製地球儀 | 1695 | 〃 |
渋川春海 | 紙張子製天球儀 | 1697 | 〃 |
こういうのも作っていたんですね。
日本はこんな感じです。
岩橋善兵衛|平天儀図解、遠眼鏡
作家名 | 作品名 | 年 | 備考 |
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岩橋善兵衛 | 平天儀図解 | 1802 | 1F南:1.天を知るー天球儀・天文ー |
岩橋善兵衛 | 遠眼鏡 | 江戸後期 | 〃 |
装丁が凝っていて、立派な工芸品ですね。
岩橋善兵衛は大阪出身の望遠鏡製作者です。
顕微鏡や時計もそうですが、この時代の貴重な道具は装飾性が高いです。
地球館ではガリレオとニュートンの望遠鏡が展示されています。
地震大鯰と鹿島大明神
作家名 | 作品名 | 年 | 備考 |
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ー | 地震大鯰と鹿島大明神 | 江戸 | 1F南:2.地を知るー地震計ー |
地震を起こした鯰を要石で押さえている場面です。
安政江戸地震(1855年)の時に鯰の絵が流行ったようです。
携帯用日時計
作家名 | 作品名 | 年 | 備考 |
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ー | 携帯用日時計 | 江戸 | 1F南:3.時を知るー時計ー |
スマホかと思ったら日時計でした。
旅先で使う為の携帯用です。
田中久重|時計
作家名 | 作品名 | 年 | 備考 |
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右:ー 左:田中久重 | 太鼓時計 | 江戸 1793 | 1F南:3.時を知るー時計ー |
田中久重 ー | 視実等象儀 線香時計 | 江戸 | 〃 |
ー | 一挺てんぷ小型櫓時計 てんぷ(天符)=振り子 | 江戸 | 〃 |
ー | 尺時計 | 江戸 | 〃 |
ー | 印籠時計 | 江戸 | 〃 |
田中久重は江戸後期から明治前期に活躍した発明家で、「東洋のエジソン」、「からくり儀右衛門」の異名があります。
また、田中が創業した芝浦製作所は後に、東京電気株式会社と合併し東京芝浦電気株式会社(現在の東芝)となります。
芸術性の高さに驚かされます。
尺時計の螺鈿ケースが豪華です。
印籠時計も良いです。
根付も種類が様々で面白いです。
地球館では田中の「万年時計」が展示されています。
土井利位|雪華図説/顕微鏡
作家名 | 作品名 | 年 | 備考 |
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土井利位 | 雪華図説 | 1832 | 1F南:4.微小を知るー顕微鏡ー |
ー | 雪華文様の刀の鍔 | – | 〃 |
ー | 和製カフ型顕微鏡 | 18世紀後半 | 〃 |
ー | 木製簡易型顕微鏡 | 19世紀頃 | 〃 |
雪華は雪の結晶です。
土井利位は日本で初めて顕微鏡を使って雪の結晶の研究をしたと言われ、「雪の殿様」の異名があります。
宇田川榕菴|植学啓原/飯沼慾斎|イチリンソウ
作家名 | 作品名 | 年 | 備考 |
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宇田川榕菴 | 植学啓原 | 1834 | 1F南:4.微小を知るー顕微鏡ー |
飯沼慾斎採集 | イチリンソウ | – | 〃 |
ー | 携帯用箱型顕微鏡 | 19世紀 | 〃 |
「植学啓原」は植物学の本で、従来の本草学ではなく、初めて西洋の植物学を紹介した本と言われています。
飯沼慾斎はリンネの植物分類法を採用し、「草木図説」を著した。
リンネ(1707-1778)はスウェーデンの植物学者で、「分類学の父」と称されています。
森島中良|紅毛雑話
作家名 | 作品名 | 年 | 備考 |
---|---|---|---|
森島中良 | 紅毛雑話 | 1787 | 1F南:4.微小を知るー顕微鏡ー |
「司馬江漢」という知っている画家の名前があったので、気になりました。
元々は鈴木春信の元で日本画を学んでいましたが、西洋画を学び、腐蝕銅版画を日本で初めて制作したことでも知られています。
ミコラスコービュンという顕微鏡を使って絵を描いたようです。
日本顕微鏡工業会のサイトで紹介されているページがありました。
ネコ/イノシシ/ウサギなど
動物 | 備考 |
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ヤンバルクイナ アマミノクロウサギ イリオモテヤマネコ など | 2F南:3.海に隔てられた動物たち |
イノシシ | 2F南:4.気候に合わせる |
テン ノウサギ | 〃 |
日本の動物たちの剥製です。
地域ごとの環境に適応した動物たちです。
アマミノクロウサギは体がゴツイですね。
イリオモテヤマネコも野生感があります。
フタバスズキリュウ
名称 | 備考 |
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フタバスズキリュウ復元骨格 | 3F北:フタバスズキリュウ |
フタバスズキリュウ産状レプリカ | 〃 |
フタバスズキリュウ実物化石 頭骨/鎖骨・間鎖骨/右上腕骨/左後肢 | 〃 |
双葉層群という地層で鈴木直氏が発見した為、フタバスズキリュウと名付けられました。
鈴木氏は当時高校生だったそうです。
ちなみに、フタバスズキリュウは首長竜なので、厳密に言うと恐竜とは違うそうです。
分類を抜粋すると下記です。
綱 亜綱 上目 目
爬虫綱 ━ 双弓亜綱 ┳ 恐竜上目 ━ 鳥盤目
┃ 竜盤目
┗ 鰭竜類 ━ 首長竜目
ドラえもんの大長編「のび太の恐竜」で知った人も多いのではないでしょうか。
自分の恐竜の知識のベースはこれです。
感想(高山植物)
ライチョウ/メボソムシクイ/ノゴマ/イワヒバリ
動物 | 備考 |
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(後列左から) メボソムシクイ ノゴマ イワヒバリ | ー |
(前列左から) ライチョウ(オス・冬毛) ライチョウ(オス・夏毛) ライチョウ(雛2羽) ライチョウ(メス・夏毛) | 絶滅危惧IB類 |
ライチョウは足が太く爪が鋭いですが、肉を食べる猛禽類(タカ科)とは違い、植物を好んで食べます。
鶏と同じキジ科に属します。
エゾシマリス/エゾナキウサギ/ホシガラス/ホンドオコジョ
オコジョは「ホンドオコジョ」と「エゾオコジョ」の2つの分類に分かれます。
ホンドオコジョの方が小さく、尾の黒い部分が尾の長さに対して3分の1程度なのが特徴です。
ネットで画像検索すると、「オコジョ」としか描いていなかったり、どっちなのかよくわからない画像も多かったです。
昔やってた漫画「オコジョさん」(※)で描かれたのはホンドオコジョっぽいです。
※アニメ版は「しあわせソウのオコジョさん」
キタダケトリカブト/ボンボリトウヒレン
キタダケトリカブトは樹脂包埋と呼ばれる樹脂で埋め込む手法が使われています。
トリカブトと言えば毒ですが、トリカブトは全種類に毒があるので、こちらも漏れなく毒ありです。
ボンボリトウヒレンはデカいです。
日本っぽくないと思ったら、ヒマラヤの植物でした。
切手/切手原画
高山植物が描かれた切手です。
作画が誰かはわかりませんでした。
以上
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