あべのハルカス美術館で開催されている特別展の感想です。
明治時代と最新の作品が見れるので、超絶技巧が好きなら必見です。
概要
展覧会 | 期間 |
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[特別展] 超絶技巧、未来へ! 明治工芸とそのDNA | 2023/07/01 ~ 2023/09/03 |
2014年から始まった超絶技巧の特別展の第3弾です。
現代作家の新作64点と明治時代の作品60点が展示されています。
第1弾と第2弾は下記でした。
2019年のあべのハルカスは行ったような気がします。
No | 展覧会 | 場所 | 都道府県 | 期間 |
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第1弾 | 超絶技巧! 明治工芸の粋 (外部リンク:IMレポート) | 三井記念美術館 佐野美術館 山口県立美術館 郡山市立美術館 富山県水墨美術館 岐阜県現代陶芸美術館 | 東京 静岡 山口 福島 富山 岐阜 | 2014/04/19~07/13 2014/10/04~12/23 2015/02/21~04/12 2015/04/21~06/14 2015/06/26~08/16 2015/09/12~12/06 |
第2弾 | 驚異の超絶技巧! -明治工芸から現代アートへ- (外部リンク:IMレポート) | 三井記念美術館 岐阜県現代陶芸美術館 山口県立美術館 富山県水墨美術館 あべのハルカス美術館 | 東京 岐阜 山口 富山 大阪 | 2017/09/16~12/03 2018/06/30~08/26 2018/09/07~10/21 2018/11/16~12/24 2019/01/26~04/14 |
巡回展
期間 | 美術館 | 都道府県 |
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2023/02/11~04/09 | 岐阜県現代陶芸美術館 | 岐阜 |
2023/04/22〜06/18 | 長野県立美術館 | 長野 |
2023/07/01~09/03 | あべのハルカス美術館 | 大阪 |
2023/09/12~11/26 | 三井記念美術館 | 東京 |
2023/12/08~2024/02/04 | 富山県水墨美術館 | 富山 |
感想
超絶技巧は好きなので、見ていて楽しかったです。
先月行った清水三年坂美術館の作品も多く展示されてました。
流石、超絶技巧の作品をたくさん所蔵している美術館です。
現代作家で言うと「木彫」のコーナーが一番良かったです。
凄さが見てわかりやすいです。
その次が「漆工」かな。
明治工芸は「七宝」、「金工」、「漆工」、「牙彫」が良かったです。
前原冬樹|《一刻》スルメに茶碗【落書き】
No | 作家名 | 作品名 | 年 | 期間 | 備考 |
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1-01 | 前原冬樹 | 《一刻》スルメに茶碗 | 2022 | – | 木彫 |
チラシの表紙にも使われている、今回の特別展を代表する作品です。
干した感じがリアルに表現されてます。
作業時の様子が流れていたのですが、身体を握って彫ってました。
改めて木だったんだな、と思えました。
製造作業の様子がYouTubeでも見れます。
松本涼|髑髏柳
No | 作家名 | 作品名 | 年 | 期間 | 備考 |
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1-09 | 松本涼 | 髑髏柳 | 2020 | – | 木彫 |
表面の木目も彫っており、数ミリ単位の薄さまで繊細に仕上げています。
所々は崩れたように穴が開いていて、崩壊していく様子を表現しているようです。
ちょっと違うかもしれませんが、西洋美術で出てくるメメント・モリ(死を想え、死を忘れるな)のような印象を受けました。
大竹亮峯|月光【落書き】
No | 作家名 | 作品名 | 年 | 期間 | 備考 |
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1-12 | 大竹亮峯 | 月光 | 2020 | – | 木彫 |
水を注ぐことで花が開くようにできているようです。
開く前は上の落書き位の状態でした。
水分により木が伸縮するのは知ってましたが、そういう事も出来るんですね。
製造作業の様子がYouTubeでも見れます。
福田亨|吸水
No | 作家名 | 作品名 | 年 | 期間 | 備考 |
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1-15 | 福田亨 | 吸水 | 2022 | – | 木彫 |
色を塗らずに木そのものの色で作っているそうです。
アゲハ蝶は木象嵌で作られており、綺麗で違和感ないです。
水滴はちゃんと盛り上がっていて、磨き方により水滴のように見せています。
本物の水滴に見えます。
本物の水滴を横に置いてみたいです。
岩崎努|さくらんぼ/無花果/嘉喜(柿)/竹の子
No | 作家名 | 作品名 | 年 | 期間 | 備考 |
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1-18 | 岩崎努 | さくらんぼ | 2021 | – | 木彫 |
1-19 | 岩崎努 | 無花果 | 2020 | – | 木彫 |
1-20 | 岩崎努 | 嘉喜(柿) | 2019 | – | 木彫 |
1-21 | 岩崎努 | 竹の子 | 2022 | – | 木彫 |
安藤緑山を意識したリアルな木彫作品です。
緑山の作品も展示されているので、比較してみるのも面白いです。
緑山の作品は象牙ですが、今は象牙が使えない為、木彫で作られています。
長谷川清吉|銀製 梱包材
No | 作家名 | 作品名 | 年 | 期間 | 備考 |
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1-28 | 長谷川清吉 | 銀製 梱包材 | 2023 | – | 金工 |
透明ではないので、近くで見ると流石にプチプチには見えないですが、柔らかそうには見えますね。
若宮隆志|草花研ぎ出し蒔絵【落書き】
No | 作家名 | 作品名 | 年 | 期間 | 備考 |
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1-36 | 彦十蒔絵 若宮隆志 | 草花研ぎ出し蒔絵 渡辺省亭図引用 | 2022 | – | 漆工 |
1-36 | 渡辺省亭 | 牡丹に蝶の図 | 1893 | – | 絵画 |
かぼちゃのような形をした銚子です。
本体部分は渡辺省亭の掛け軸を元にしており、元となった絵も並べて展示してくれています。
本体部分がメインでしょうが、脚の部分には螺鈿が輝いています。
掛軸で言う、表装のような感じでしょうかね。
・彦十蒔絵
漆芸作家である若宮隆志が率いる漆芸アート集団。
・渡辺省亭
明治から大正にかけて活躍した日本画家で、花鳥画を多く描いた。
池田晃将|百千金字塔香合
No | 作家名 | 作品名 | 年 | 期間 | 備考 |
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1-40 | 池田晃将 | 百千金字塔香合 | 2022 | – | 漆工 |
1-45 | 池田晃将 | 紫電閃光結晶飾箱 | 2022 | – | 漆工 |
今回の特別展で一番気になったのはこれかな。
SFもので出てくる道具や兵器のようでカッコいい。
映画の「マトリックス」や「ラピュタ」を思い出しました。
盛田亜耶|ヴィーナスの誕生Ⅱ/マグダラのマリア
No | 作家名 | 作品名 | 年 | 期間 | 備考 |
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1-59 | 盛田亜耶 | ヴィーナスの誕生Ⅱ | 2022 | – | 切り絵 |
1-60 | 盛田亜耶 | マグダラのマリア | 2022 | – | 切り絵 |
超絶技巧の中に切り絵が出てくるのも現代ならではですね。
間違いなく超絶技巧です。
遠目に見たら切り絵なのが信じられない。
川出柴太郎|檜に鳥蝉図花瓶(一対)
No | 作家名 | 作品名 | 年 | 期間 | 備考 |
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2-13 | 川出柴太郎 | 檜に鳥蝉図花瓶(一対) | – | – | 七宝 |
省線七宝は知りませんでした。
・省線七宝
金属線を酸類で溶かして取り除いたもの。
芝山政由|桐鳳凰図提箪笥【落書き】
No | 作家名 | 作品名 | 年 | 期間 | 備考 |
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2-31 | 芝山政由 | 桐鳳凰図提箪笥 | – | – | 金工 |
鳳凰の尾が上部から側面を跨いで細工されています。
模様がつながっているのは良くありますが、螺鈿の装飾が直接つなげているのは初めて見ました。
※展示では扉は開いています。
以上
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