【スケッチ】巨大なものを至近距離で描く方法|構図によって描き方を考える必要あり

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損保ジャパン本社ビル

スケッチをする時に、描きたいものが至近距離からしか見れない場合があります。

しかし、至近距離から見て全体を一枚の紙に納めようとすると上手く描くことが難しいです。

  • 移動できる範囲が限られている
  • 離れると障害物があって見えない

構図を決める時に、理想は視野の範囲に収まることですが、いつもそうなるとは限りません。

今後のことも踏まえて色々と考えた結果、対策としては下記の2点になります。

描き方

①見える範囲の構図に絞る(正面/見上げる)
②視線が一つで見える構図に補正する

※全て現段階で考えてることですので、今後改めるかもしれません。

概要

正面と見上げ

近距離で大きなものを見る場合、一つの視野では入りきらないため、正面に対する視線と、見上げる視線が必要になります。

視線の角度が変わるので、同じ幅であっても正面と見上げた部分の幅では見え方が変わります。

同じ幅で描いてしまうと違和感のある形になってしまうのです。

下記の南禅寺のスケッチで上手く描けないことが考えるきっかになりました。

問題点:見え方の変化

視線の角度による見え方の違いについて見ていきます。

ビルのような四角の建物で例を描きます。

<正面の場合>

ビルの例1

正面から全体を見る場合、壁は垂直に見えます。

見えるまま垂直に描きます。

高さも均等に描きます。

<見上げる場合>

ビルの例2

見上げた場合、壁は上に行くほど狭くなります。

見えるまま斜めに描きます。

高さは上にいくほど低く、横の角度が急になります。

縦が垂直、横が水平に見える場合は、そのまま描くことができます。

斜めの線が必要な場合は角度がずれると歪んでる絵になるので注意が必要です。

どちらか一方の視線であれば、上記のことに注意をすれば違和感なく描くことができます。


続いて、両方の視線が必要になった場合について考えていきます。

極端な例ですが、重ねて見ましょう。

近距離でみる場合は正面は一部しか見れないため、2段分にします。

ビルの例3

違和感ありますね。

これが今回考えている至近距離で大きなものを描く難しさです。

錯覚している

人は色んな場面で脳内補正しています。

・点描(点の集合が色や形になる)
・だまし絵

スケッチでも対象との位置関係により視野が複数必要になると、脳内補正による錯覚があると感じました。

問題点と同じビルの図で考えてみます。

20階のビルを10階から見上げた場合と、見下ろした場合を描いてみます。

※図は極端な例になります。

<直線でのイメージ>

錯覚の例1

視線高さより離れると幅は細くなります。

問題点の図のように直線で正しければ、こうなりそうですが、「>」のように直線でつながることはありません

実際に見た場合は、視線高さ周辺の壁は垂直に見えています。

<曲線のイメージ(実際の想定)>

錯覚の例2

直線でつながらないということは滑らかにつながります。

左図のように曲線の形になると考えています。

しかし、見た時は曲線とは認識していません。

その理由として考えたのが脳内補正による錯覚です。

補正される理由は視野が複数あることです。

上図の例は一つの画面で描いてますが、実際には視野は複数必要になります。

<視野が複数のイメージ>

錯覚の例3

見上げるので、正面以外の視野が必要になります。

視野ごとで見ると、全体で見た時より曲線が認識しづらくなります。

曲率が小さくなる為、直線として認識されると考えています。

水平線が直線に見えるのと同じことかと思います。

上記の補正に加えて、直線だという先入観もあると思います。

・曲線はわずかで認識しずらい(水平線と同じ)
・直線だという先入観

この2点が脳内補正による錯覚の要因と考えています。

詳細:視野と距離の関係

見え方の違いについて詳しく考えていきます。

視野角を120°として、対象との距離からの見え方の変化を見ていきます。

距離が遠いパターン

視野の例1

対象の下から上まで、視点からの距離の差が小さくなります。

この場合は全て正面の見え方で違和感がありません。

距離が近いパターン

視野の例2

対象の下から上で、視点からの距離の差が大きくなります。

問題点で上げた、見上げる例と同じように

上に行くほど、
・幅が細くなっていく
・高さが小さくなる
・奥行きが広くなる(屋根の裏)

という特徴があります。

ナツメ
ナツメ

何を言ってるのか わからねーと思うが

おれも 何を言ってるのかわからなくなってきた…

描くべき形とは

目に見えたままを描いて、平面的に見えるのは視点からの距離の誤差が少ない場合だと考えています。

誤差が多い場合に、見えたまま描くと違和感のある絵になると思います。

<屋根の形だけ見上げて、壁を垂直にした場合>

スケッチの例1

屋根だけ見上げていることになります。

違和感があります。

垂直と錯覚したパターンです。

南禅寺のスケッチで失敗しているのはこのパターンになります。

<正面と、見上げた場合を両方取り入れた場合>

スケッチの例2

上だけ見上げてることになります。

違和感があります。

実際に見える部分ごとに描いたパターンです。

(上述の問題点の例と同じ。)

上記により、自分の考えとしては見たまま下から上まで描くことはできない、が結論です。


スケッチのやり方としては視線が一つで見える範囲の構図で描く必要がある為、下記の3択になると考えてます。

<①正面のみ>

スケッチの例3

正面から見える範囲だけの構図で描きます。

違和感はありません。

<②見上げた部分のみ>

スケッチの例4

見上げて見える範囲だけの構図で描きます。

違和感はありません。

<③一つの視線で見た状態に補正>

スケッチの例5

正面で見える範囲を見上げたかのように補正した線で描きます。

見上げ部分を含める場合はこの方が自然に見えます。

構図をカメラで確認

構図に困った場合はカメラを使うと良いです。

スマホのカメラで撮影しようとした場合に、画面に入ってるものを描けば綺麗に収まります。

手でフレームを作るのと同じです。

写真を撮っておけば、いつでも同じ状態を確認できます。

手フレーム
手フレーム

下図は南禅寺の三門を撮影したものです。

通常のカメラだと入りきらない為、広角で撮影しています。

南禅寺三門
南禅寺三門(広角)

これは実際に見えていると思っている形とは違いますね。

画面に収まらない場合に全体を描くなら、こういう補正をしないと無理なんだと考えてます。

まとめ

以上のことから、至近距離で大きなものを描く場合、下記の2点が必要と考えています。

描き方

①見える範囲の構図に絞る(正面 or 見上げる)
②視線が一つで見える構図に補正する

②の補正する方が難易度が高いです。

①の構図を絞る方が描きやすいと思いますが、構図は妥協が必要になります

また、見上げる構図は下記の3点に注意する必要があります。

  1. 幅の変化(上に行くほど狭い)
  2. 高さの変化(上にいくほど低い)
  3. 奥行きの変化(上に行くほど角度が上がる)

これらのことを踏まえて、今後のスケッチに活かそうと思います。

以上

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