【美術】拝観「本堂/源氏庭/大師堂」廬山寺(第58回 京の冬の旅)

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廬山寺
廬山寺

京都市上京区、御苑の東にあるお寺です。
紫式部邸宅址         あととして知られ、源氏物語執筆の地の一つと考えられています。

概要

展覧会期間
[特別拝観]
元三大師堂がんざんだいしどう
第58回 京の冬の旅
2024/01/06 ~ 2024/03/18
[通常拝観]
本堂、源氏庭

天台宗のお寺で、ご本尊は阿弥陀三尊です。
元三大師(良源)により創建されました。

「京の冬の旅」としては37年ぶりでしたが、他の特別公開でも公開する場合があります。
2023年には「京都非公開文化財特別公開」で公開されていました。

展示内容

<拝観>
・本堂
・源氏庭
・大師堂

<境内>
・歌碑
・御土居


紫式部ゆかりの場所ということで、関連したものが沢山ありました。
確認できたものは下記です。

<玄関>
・紫式部像

<本堂>
 1室目
・源氏貝合せかいあわ  
・詞:紫式部、大弐三位だいにのさんみ/筆:日比野光鳳      こうほう

 2室目
・紫式部日記絵詞えことば
 藤田家本 複製 版本/藤田美術館所蔵
・語り絵椀 源氏物語 五十帖帖/御室焼おむろやき
・若紫/住吉廣尚すみよしひろなお/絵
・絵合/住吉廣行すみよしひろゆき/絵
・浮舟/絵:土佐光起とさみつおき、賛:中院通茂なかのいんみちしげ/絵
・源氏物語礼賛らいさん/与謝野晶子
・源氏物語絵巻(複製)

 3室目
・源氏物語屏風 宿木(三)/林司馬はやししめ
・源氏物語屏風 空蝉、初音、若紫/室町時代

 鴨居上の壁
・源氏物語の中の楊貴妃ようきひ/絵/大月吉野
・紫式部系譜
・紫式部邸宅あと記念碑拓本/昭和40年建立

<境内>
・紫式部歌碑

感想「拝観」

金井征之|紫式部像

No作家名作品名期間備考
金井征之紫式部像玄関
紫式部像
紫式部像

玄関で黄金の紫式部がお出迎えです。

華瓶

No作家名作品名期間備考
華瓶けびょう
閑院宮載仁親王かんいんのみやことひとしんのう 智恵子妃ちえこひ 御物ぎょぶつ
本堂

金の模様が細かくて綺麗です。

華瓶けびょう
浄土真宗ではしきみという香木を挿し、香水こうずいとしてご本尊の近くにお供えする。
言葉としては花を添えるための仏具としての意味もある。

奈良国立博物館にある華瓶は「花を生ける瓶。」との説明がある。
こちらは鎌倉時代の密教で用いられたもの。
浄土真宗が独自の使い方を始めたのかも。


御苑の中には閑院宮邸跡があります。

日比野光鳳|紫式部、大弐三位の詞

No作家名作品名期間備考
詞:紫式部(母)
  大弐三位だいにのさんみ(娘)
筆:日比野光鳳      こうほう 筆
新古今集しんこきんしゅう1499/百人一首57
後拾遺集ごしゅういしゅう709/百人一首58
本堂

紫式部と娘の歌が並んで書かれています。
百人一首でも並んでいます。

紫式部
めぐりあひて 見しやそれとも わかぬまに
雲がくれにし 夜半の月影

大弐三位
有馬山 いなのささ原 かぜふけば
いでそよ人を 忘れやはする

歌の内容は嵯峨嵐山文華館のサイトで紹介されています。

紫式部 百人一首57
大弐三位 百人一首58

境内には同じ内容の歌碑があります。
記事内「紫式部歌碑」を参照。

住吉廣尚|若紫

No作家名作品名期間備考
若紫住吉廣尚本堂

物語では北の僧坊として出てくる場所です。

懸造りかけづくり(斜面などをせり出す)の建物なので、清水寺か石山寺がモデルだろうか。

与謝野晶子|源氏物語礼賛

No作家名作品名期間備考
与謝野晶子源氏物語礼賛らいさん本堂

与謝野晶子は源氏物語の訳をしていました。

細い字で書かれていて、源氏物語の幽玄な雰囲気を意識しているのかも。

伝 林司馬|扇面古写経(摸本)

No作家名作品名期間備考
林司馬はやししめ扇面古写経せんめんこしゃきょう(摸本)本堂

扇面法華経冊子せんめんほけきょうさっしとも言います。

四天王寺に伝来した絵入りの経文ですが、現在は東京国立博物館や藤田美術館などでも分蔵されています。
展示品の元がどこの所蔵品化はわかりません。
上記の参考リンクは東京国立博物館のものです。

源氏庭

No作家名作品名期間備考
源氏庭1965

白砂と苔で造られた庭です。
左側の木に挟まれた岩が紫式部顕彰碑で、「紫式部邸宅址」と書かれています。

夏には桔梗ききょうが咲くことで有名のようです。
源氏物語に出てくる朝顔が今の桔梗のことなので、桔梗が植えられています。

桔梗は珍しいですね。
桔梗の見頃としては6~9月です。
紅葉もあるので、紅葉の季節も良さそうです。
公式サイトで四季の画像が紹介されていました。

元三大師堂

元三大師堂
元三大師堂
No作家名作品名期間備考
元三大師像鎌倉
鬼大師像おにだいし (鬼面坐像)鎌倉元三大師像の御前立おまえだち
地蔵菩薩坐像明智光秀の念持仏ねんじぶつ

お堂前の扉は空いているので建物内に入ることはできます
ただし、内部の奥は特別拝観のみの非公開エリアの為、外からは入れません
特別拝観の期間は裏側から入ります。

元三大師像の前に鬼大師像が置かれていて、珍しい配置でした。
元三大師(良減)が鬼に変化して疫病を払ったという逸話からきています。
また、節分会で行われる「追儺式鬼法楽ついなしきおにほうらく」(通称:鬼おどり)も京都の冬の風物詩として知られています。
地蔵菩薩坐像は明智光秀が懐に入れていたから、摩耗して顔が滑らかになっているそうです。

明智光秀と蘆山寺は比叡山焼き討ちの際にゆかりがあります。
同じ天台宗である蘆山寺も焼き討ちの対象になりましたが、正親町天皇おおぎまち    から光秀へ取り成しの手紙が送られ、焼き討ちが防がれました。
この縁により念持仏が納められたと言われています。

感想「境内」

紫式部歌碑

No作家名作品名期間備考
紫式部歌碑1995

玄関前の勅使門近くに歌碑があります。
本堂にあった「紫式部、大弐三位の詞」です。

御土居

No作家名作品名期間備考
御土居安土桃山
御土居
御土居

豊臣秀吉時代の遺構です。
防塁と堤防の目的で築かれたもので、市内の各地に残っています。


以上

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