
奈良国立博物館の特別展です。
万博とのコラボで三都で国宝を沢山見れる特別展が開催されました。
いずれも6/15までの開催です。
・奈良国立博物館「超 国宝」
・大阪市立博物館「日本国宝展」
・京都国立博物館「日本、美のるつぼ」
奈良は「大阪・関西万博開催記念」とは書いてないですが、半券で100円の相互割引もしているので、まぁ、まとめていいでしょう。
概要
展覧会 | 期間 |
---|---|
[特別展] 超 国宝 ―祈りのかがやき | 2025/04/19 ~ 2025/06/15 前期:04/19~05/18 後期:05/20~06/15 |
[写真展] 開館130年記念 三千世界 奈良国立博物館 名品撰 ―写真家・六田知弘の眼 | 2025/04/05 ~ 2026/03/29 第1期:04/05~07/21 第2期:07/23~10/19 第3期:10/21~12/21 第4期:12/23~03/29 |
[庭園公開] 八窓庵 | 2025/03/22 ~ 2025/06/15 |
[常設展] 仏像館 青銅器館 | – |
開館130周年記念ということで、国宝が112件(前後期合わせて)という中々の規模の特別展です。
休日の昼間で混雑はあるものの、待ち時間はありませんでした。
仏教美術が中心だからでしょうね。
ところで、「超 国宝」は英語で「Oh! KOKUHO」になってました。
「Super KOKUHO」でも良さそうですが、日本語の韻に合わせましたね。
- 第1章 南都の大寺
- 第2章 奈良博誕生
- 第3章 釈迦を慕う
- 第4章 美麗なる仏の世界
- 第5章 神々の至宝
- 第6章 写経の美と名僧の墨蹟
- 第7章 未来への祈り
1階の出口近くにある「すみっコぐらし」の撮影スポットです。

関連の展覧会
展覧会 | 期間 | 美術館 | 都道府県 |
---|---|---|---|
超 国宝 ―祈りのかがやき― | 2025/04/19〜2025/06/15 | 奈良国立博物館 | 奈良 |
日本、美のるつぼ ―異文化交流の軌跡― | 2025/04/19~2025/06/15 | 京都国立博物館 | 京都 |
日本国宝展 | 2025/04/26〜2025/06/15 | 大阪市立美術館 | 大阪 |
感想(特別展)
観音菩薩立像(百済観音)
No | 作家名 | 作品名 | 年 | 備考 |
---|---|---|---|---|
1 | ー | 観音菩薩立像(百済観音) | 7世紀 | 通期/法隆寺 |
法隆寺にある飛鳥時代を代表する仏像です。
細身で曲線が美しいです。
重源上人坐像
No | 作家名 | 作品名 | 年 | 備考 |
---|---|---|---|---|
11 | ー | 重源上人坐像 | 13世紀 | 通期/東大寺 |
リアルな彫刻です。
ちょっと怖そうな爺さんです。
2006年の特別展「大勧進 重源」で見て印象に残ったので、覚えています。
倶舎曼荼羅図【落書】
No | 作家名 | 作品名 | 年 | 備考 |
---|---|---|---|---|
15 | ー | 倶舎曼荼羅図 | 12世紀 | 前期/東大寺 |
倶舎宗は聞きなれない宗派ですが、奈良時代を代表する「南都六宗」の一つでした。
・南都六宗
平安時代の平安二宗「天台宗・真言宗」に対して呼ばれた名称。
三論宗 成実宗 法相宗
倶舎宗 華厳宗 律宗
華厳宗は東大寺、律宗は唐招提寺(鑑真)、法相宗は興福寺と薬師寺、が有名。
また、法隆寺は法相宗⇒聖徳宗、清水寺は法相宗⇒北法相宗として現在は独立。
両足に花のようなものを履いて(?)います。
蓮でしょうか?可愛いサンダルを履いているかのようです。

【落書】2025/05/10:鉛筆、06/01:色鉛筆
信貴山縁起絵巻 尼公巻
No | 作家名 | 作品名 | 年 | 備考 |
---|---|---|---|---|
17 | ー | 信貴山縁起絵巻 尼公巻 | 12世紀 | 前期/朝護孫子寺 |
四大絵巻物の一つです。
創建時の東大寺が描かれています。
大仏の前で人が寝転がっていたりします。
この絵巻の猫は描かれた猫としては「日本最古の猫」と言われています。
・四大絵巻物(AI概要)
いずれも平安時代末期に制作されたとされ、それぞれが異なるテーマや表現方法を持っています。
源氏物語絵巻:
平安時代の『源氏物語』を絵で描いた作品で、貴族文化を反映した美しい絵が特徴。
信貴山縁起絵巻:
信貴山の霊験譚を描いた絵巻で、ファンタジー的な要素も含まれています。
伴大納言絵詞:
応天門の変を題材にした絵巻で、歴史的な事件を描いたドキュメンタリー的な要素が強い。
鳥獣人物戯画:
擬人化された動物を描いた絵巻で、ユーモラスな表現が特徴。
天燈鬼・龍燈鬼立像
No | 作家名 | 作品名 | 年 | 備考 |
---|---|---|---|---|
51 | 法橋康弁 | 天燈鬼・龍燈鬼立像 | 1215 | 前期/興福寺 |
康弁は運慶の三男です。
大きくはないですが、筋肉や血管が凄いです。
生命力が漲ってます。
目線はそれぞれ持っている燈籠を見ています。
釈迦如来倚像
No | 作家名 | 作品名 | 年 | 備考 |
---|---|---|---|---|
64 | ー | 釈迦如来倚像 | 7世紀 | 通期/深大寺 |
東京にある深大寺の仏像で白鳳仏とも呼ばれます。
両足を垂らした倚像の形式は珍しいです。
2017年に国宝指定された新しめの国宝です。
初めて見たのは2015年の「白鳳展」ですが、覚えてなかったです。
国宝指定後に過去のチラシを整理していた時に展示されていたことに気付きました。
国宝指定後の2017年には深大寺にも行きました。
良い所でした。
菩薩半跏像
No | 作家名 | 作品名 | 年 | 備考 |
---|---|---|---|---|
78 | ー | 菩薩半跏像 | 8世紀 | 通期/宝菩提院願徳寺 |
片足を組んだ半跏像です。
衣の波のような曲線が美しいです。
半跏像と言えば、京都の広隆寺にある「宝冠弥勒」、奈良の中宮寺にある「木造菩薩半跏像」が有名です。どちらも国宝です。
辟邪絵
No | 作家名 | 作品名 | 年 | 備考 |
---|---|---|---|---|
87 | ー | 辟邪絵 | 12世紀 | 前期 |
鍾馗(魔除けの神)が疫鬼の目を抉っている絵が展示されていました。
辟邪絵は残酷な場面が多いです。
元は巻物だったようですが、今は掛け軸になっています。
日本の死後や地獄のイメージに影響を与えたとも言われています。
七支刀
No | 作家名 | 作品名 | 年 | 備考 |
---|---|---|---|---|
100 | ー | 七支刀 | 4世紀 | 通期/石上神宮 |
6つの枝葉の付いた珍しい形状の刀です。
切る為のものというより、祭祀や奉納用と考えられています。
かまたみきこ先生の漫画「KATANA」の4巻でも登場しています。
七支刀の吹き戻しのおもちゃが売っていたけど、枝分かれの位置が左右対称になってました。
そこは互い違いにして欲しかった。
金地螺鈿毛抜形太刀
No | 作家名 | 作品名 | 年 | 備考 |
---|---|---|---|---|
111 | ー | 金地螺鈿毛抜形太刀 | 12世紀 | 前期/春日大社 |
猫好きは必見の刀です。
去年、春日大社国宝殿で見ていたので、記憶に新しいです。
山水図(水色巒光図)
No | 作家名 | 作品名 | 年 | 備考 |
---|---|---|---|---|
137 | 筆:伝周文 賛:江西龍派、信忠以篤、心田清播 | 山水図(水色巒光図) | 1445 | 前期 |
周文は室町時代の画僧で、雪舟の師です。
感想(写真展)
No | 作家名 | 作品名 | 年 |
---|---|---|---|
137 | 筆:伝周文筆 賛:江西龍派、信忠以篤、心田清播 | 山水図(水色巒光図) | 1445 |
29 | ー | 薬師如来坐像 | 9世紀 |
81 | ー | 十一面観音菩薩像 | 12世紀 |
89 | ー | 地獄草子(鶏地獄・函量所) | 12世紀 |
開館130年記念写真集「三千世界 奈良国立博物館 名宝百三十撰」で撮影された写真が地下回廊で展示されています。
展示期間が違うものもあるので、一緒に見るべし。
感想(庭園公開)

特別展に合わせて公開されてました。
博物館は何度も来てますが、初めてです。
こっちから出口の方を見るとこんな感じなのですね。
感想(仏像館/青銅器館)
十一面観音菩薩立像
No | 作家名 | 作品名 | 年 | 備考 |
---|---|---|---|---|
057 | ー | 十一面観音菩薩立像 | 12世紀 | 重文 |

新薬師寺に伝わった仏像です。
なんか仏像にしては人間っぽい顔に見えます。
目が小さいから?
まだ修行を始めたばかりなのかもしれません。
康成|金剛力士立像
No | 作家名 | 作品名 | 年 | 備考 |
---|---|---|---|---|
122 | 康成 | 金剛力士立像(阿形・吽形) | 1339 | 重文 |

吉野にある金峯山寺の仁王門にあったものです。
仁王門の解体修理(2018~2028年)にともない金剛力士立像も保存修理されました。
博物館で見れるのは2028年までなので、貴重です。
写真ではわかりにくいですが、めちゃくちゃデカくて約5mあります。
ちなみに、日本一は東大寺の南大門にある金剛力士像で約8mです。
こちらは門も含めて国宝です。
東大寺、東大寺ミュージアムにも国宝が沢山あるので、時間があれば一緒に見ておきたい所です。
鳳凰文卣
No | 作品名 | 年 | 備考 |
---|---|---|---|
69 | 鳳凰文卣 | 前11~10世紀 | ー |

卣は釣り手のついた酒壷です。
立体装飾が凄いです。
古代兵器にも見えますが、一周回って未来的にも見えます。
殷(商)末期から周初期の頃だそうです。
封神演義(中国のファンタジー小説)の時代なので武器の宝貝にも見えてきました。
以上
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