中之島香雪美術館で開催されている特別展です。
北斎と広重の代表作が見れます。
ここはコロナ前に来て以来なので、久し振りです。
概要
展覧会 | 期間 |
---|---|
[特別展] 北斎と広重 冨嶽三十六景への挑戦 江戸東京博物館コレクションより | 2024/04/13 ~ 2024/05/26 前期:04/13~05/06 後期:05/08~05/26 |
東京にある江戸東京博物館のコレクションから北斎と広重の画業を振り返る展覧会です。
「冨嶽三十六景」の全46点が前期後期で半分ずつ公開され、広重の「東海道五拾三次之内」などの代表作も見ることができます。
前期:115点、後期:114点が展示されています。
その内31点は通期展示です。
下記の2点は香雪美術館の所蔵品で、その他は全て江戸東京博物館の所蔵品になります。
No | 作家名 | 作品名 | 年 | 期間 |
---|---|---|---|---|
香1 | 歌川豊春 | 松風村雨図 | 1781-1801 | 通期 |
香2 | 勝川春章 | 三都美人図 | 1787-1788 | 通期 |
巡回展
・なし
感想
浮世絵はサイズが小さく、展示数が多くなりやすいので、じっくり見ていると結構疲れます。
気になる作品があれば、先に見るのがお勧めです。
「冨嶽三十六景」は世界的に知られた作品なので外国の方も沢山来られてました。
浮世絵は何枚もあるので、有名な作品は見慣れたものも多かったです。
(版や状態の違いはありますが)
広重の幼少期の絵や遺品、遺言状は珍しかったです。
安藤徳太郎|三保松原図
No | 作家名 | 作品名 | 年 | 期間 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 安藤徳太郎 | 三保松原図 | 1806 | 通期 | プロローグ |
広重が10歳の頃の画です。
徳太郎は広重の幼名です。
10歳にしては上手にかけてるかな?
ちなみに、亡くなった年に刊行された「富士見百図」でも「駿州三保之松原」(No.214)があります。
葛飾北斎|昔々桃太郎発端説話
No | 作家名 | 作品名 | 年 | 期間 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
11 | 画:葛飾北斎 作:山東京伝 | 『昔々桃太郎発端説話』 | 1792 | 通期 | 第1章(1) |
桃太郎と舌切り雀を組み合わせたような話だそうです。
江戸時代の小説も沢山あるので、アニメ化とかしたら面白そう。
ストーリ的に無茶なとこがあっても、そのまま見てみたい。
葛飾北斎|東遊
No | 作家名 | 作品名 | 年 | 期間 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
11 | 画:葛飾北斎 作:浅草庵市人 | 『東遊』 | 1799 | 通期 | 第1章(1) |
日本橋にある三越(三井越後屋)です。
井と三の字が目印なのでわかりやすい。
色んな人が描かれていて、賑やかそうな風景です。
子供や犬もいます。
三越はNo.149、No.213でも描かれています。
葛飾北斎|新板浮絵忠臣蔵
No | 作家名 | 作品名 | 年 | 期間 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
19 23 | 葛飾北斎 | 新板浮絵忠臣蔵 初段 新板浮絵忠臣蔵 第十段目 | 1804~1807 | 前期 | 第1章(1) |
忠臣蔵の2場面です。
初段の方は外なのに服装が屋内っぽい。
舞台上を描いているのだろうか。
・浮絵
西洋の遠近法で描いた浮世絵。
葛飾北斎|新板浮絵東叡山花盛之図
No | 作家名 | 作品名 | 年 | 期間 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
37 | 葛飾北斎 | 新板浮絵東叡山花盛之図 | 1810 | 前期 | 第1章(1) |
上野にある不忍池辯天堂です。
今の弁天堂とは形が違いますね。
以前、スケッチをした時に調べたのですが、空襲で焼失してました。
葛飾北斎|椿説弓張月
No | 作家1名 | 作品名 | 年 | 期間 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
40 41 42 | 画:葛飾北斎 作:曲亭馬琴 | 『鎮西八郎為朝外伝 椿説弓張月』 前編巻之三 後編巻之一 後編巻之三 | 1807 | 通期 | 第1章(1) |
曲亭馬琴の代表作でありながら、一般的な知名度は無い。
北斎の絵にインパクトがあるので、北斎の特集の中で紹介されてるのは見たことがあります。
気になって現代語訳版を買ったのですが、読まずに放置してます。
そろそろ読まねば・・・。
読むときに挿絵があるといいので、地道に集めれると良いなー。
昇亭北寿|東都日本橋風景
No | 作家名 | 作品名 | 年 | 期間 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
68 | 昇亭北寿 | 東都日本橋風景 | 1804-1817 | 前期 | 第1章(2) |
聞いたことが無い名前でしたが、北斎の弟子のようです。
風景画を得意としていたようですが、画像を検索すると、奇抜な絵が多くて面白いです。
回顧展があれば見に行きたい。
葛飾北斎|冨嶽三十六景
No | 作家名 | 作品名 | 年 | 期間 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
72 74 76 84 86 100 114 | 葛飾北斎 | 冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏 山下白雨 尾州不二見原 常州牛堀 信州諏訪湖 江戸日本橋 東海道金谷ノ不二 | 1831-1833 | 前期 | 第2章 |
前期に「神奈川沖浪」、後期に「凱風快晴」(通称:赤富士)が展示されます。
有名作品も良いですが、まとめて見ていると、気にる所が出てきます。
「常州牛堀」は船と富士山の位置関係に違和感を感じます。北斎らしい作為的な配置ですね。
「東海道金谷ノ不二」は曲線と水玉で描かれた海が面白い。
歌川広重|東海道五拾三次
No | 作家名 | 作品名 | 年 | 期間 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
123 139 | 歌川広重 | 東海道五拾三次之内 日本橋 朝之景 四日市 三重川 | 1804-1817 | 前期 | 第3章(1) |
長年売れたこともあり、色んな異版があるようです。
「日本橋 行烈振出」と言う異版がよく紹介されています。
歌川広重|江都名所 かすみかせき
No | 作家名 | 作品名 | 年 | 期間 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
147 | 歌川広重 | 江都名所 かすみかせき | 1834-1836 | 前期 | 第3章(2) |
右側にシャボン玉を吹くシャボン玉売り、左の緑は竹売りだそうです。
浮世絵にシャボン玉は初めて見た気がします。
歌川広重|東都名所 駿河町之図/両国回向院境内全図
No | 作家名 | 作品名 | 年 | 期間 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
149 153 | 歌川広重 | 東都名所 駿河町之図 両国回向院境内全図 | 1834-1836 | 前期 | 第3章(2) |
No.11、No.213と同じ三越です。
相変わらず賑わっています。
もう一つの絵にある中央の黄色いテントみたいなのは仮設の相撲小屋です。
相撲と言えば両国国技館。
両国での相撲はこの回向院での勧進相撲が始まりで、現在の大相撲の起源とも言われています。
歌川豊国(3代)、歌川広重|風流源氏雪の眺
No | 作家名 | 作品名 | 年 | 期間 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
173 | 歌川豊国(3代) 歌川広重 | 風流源氏雪の眺 | 1853 | 前期 | 第3章(2) |
豊国(3代)は歌川国貞の名でも知られています。
二人のビッグネームの共演です。
豊国が人物を、広重が背景を担当しています。
よく見ると屋根が髑髏に見え・・・いや、勘違いでした。
歌川広重|名所江戸百景
No | 作家名 | 作品名 | 年 | 期間 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
197 206 | 歌川広重 | 名所江戸百景 目黒新富士 神田紺屋町 | 1857 | 前期 | 第4章 |
富士講と言う富士山信仰の団体により築かれた人口の山です。(今は残っていません)
神田紺屋町は藍の売買を許されていた町で、藍染めの職人が多くいたようです。
広重ブルーが綺麗です。
歌川広重|名所江戸百景
No | 作家名 | 作品名 | 年 | 期間 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
213 | 歌川広重 | 冨士三十六景 東都駿河町 | 1858 | 前期 | 第4章 |
No.11、No.149と同じ三越です。
お正月の様子で、店の前では芸人たちが芸を披露しています。
歌川広重|富士見百図
No | 作家名 | 作品名 | 年 | 期間 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
214 | 歌川広重 | 富士見百図 「駿州三保之松原」 | 1859 | 通期 | 第4章 |
この年に広重は亡くなります。
残念ながら初編のみで、未完に終わっています。
10歳の頃に描いた「三保松原図」(No.1)と同じ画題です。
感慨深いですね。
展覧会の構成としてもいいです。
脇差/煙草入れ/旅枕/袂落とし/掛札
No | 作家名 | 作品名 | 年 | 期間 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
218 219 220 221 222 | ー | 脇差 煙草入れ 旅枕 袂落とし 掛札 | 1852 1830-1858 1830-1858 1830-1858 1830-1858 | 通期 | エピローグ |
広重の遺品です。
竹光かと思ったら鯨の骨でできた脇差でした。
以上
コメント