【美術】特別展「竹内栖鳳 破壊と創生のエネルギー」京都市京セラ美術館

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竹内栖鳳 破壊と創生のエネルギー
竹内栖鳳 破壊と創生のエネルギー

京都市京セラ美術館の特別展の感想です。
竹内栖鳳は好きな画家なので見に行ってきました。

概要

展覧会期間
[特別展]
竹内栖鳳
破壊と創生のエネルギー
2023/10/07 ~ 2023/12/03
  前期:10/07~/11/05
  後期:11/07~/12/03

竹内栖鳳は明治から戦前に活躍した日本画家です。
伝統的な日本画から新しい日本画を作り上げたことから、今回の展覧会の名前になっています。

竹内栖鳳たけうちせいほう(1864-1942)
伝統的な日本画をベースにしながら、西洋画の技法も取り入れて、新しい日本画を描いた。
近代日本画の先駆者と呼ばれている。

1900年に欧州へ外遊し、アントワープ動物園(ロンドン動物園?)でライオンの実物を見る。
日本では1903年に開園した京都市動物園に通い、動物の写生を行った。

全124点と写生帖25点、参考作品8点です。
124点の内、81点は屏風の左右の変更を含めて展示替えがあります、
写生帖と参考作品は全て通期です。

一部は前期後期以外の展示替えになるので、詳細は公式サイトの作品リストを確認した方が良いです。
ちなみに、チラシの表紙に使われている「虎・獅子図」後期の展示になります。

構成
  • 第1章 栖鳳登場 京都画壇の麒麟児
  • 第2章 栖鳳、世界へ まだ見ぬ美術を求めて
  • 第3章 日本画は一度破壊すべし 新しい時代へ
  • 第4章 躍動する写生
  • 第5章 栖鳳、旅に出る 心の風景を探して
  • 第6章 生きものたちの賛歌
  • 写生帖 栖鳳筆
  • 参考作品

途中の休憩所では垂れ幕がありました。
こちらは写真撮影OKです。
どちらも後期の展示です。

絵になる最初/虎・獅子図
絵になる最初/虎・獅子図

巡回展

・なし

感想

京都市美術館の時代から竹内栖鳳の展覧会は見たことがあったので、お馴染みの作品もありました。

若い頃から晩年の作品まで色々見れたので、満足の展覧会でした。

81点の展示替えがあるのでどの期間に行くかは迷う所です。
チラシ公式サイトに載っている作品を以下に並べてみました。

No作品名期間期間詳細備考
13百騒一睡10/07~11/15前期雀、犬
32ベニスの月10/07~11/15前期風景
44アレ夕立に10/07~11/15前期風景
55潮沙永日10/07~11/15前期風景、人物/ハンドタオル、ポストカード
105平和10/07~11/15前期兎/No111「宇佐幾」も前期
27象図10/07~11/19前期+α象/ポストカード
21観花11/07~12/03後期骸骨
26虎・獅子図11/07~12/03後期虎、獅子/チラシ表紙/ポストカード
46絵になる最初11/07~12/03後期人物/クリアファイル/重要文化財
24大獅子図11/14~12/03後期2週目から獅子
22金獅11/21~12/03後期3周目から獅子
28羅馬之図11/21~12/03後期3周目から風景
69小春11/21~12/03後期3周目から猫/ポストカード

チラシの表紙に載っている「虎・獅子図」が一番の目玉とすると、後期ですね。
今回、唯一の重要文化財でもある「絵になる最初」も後期です。

獅子の絵はどの期間にもあります。
どの期間でもバランスよくは見れそうです。

自分は「象図」が気になったので、とりあえず前期を選びました。
後期に行くかは考え中です。
他の展覧会もあるので、余裕があれば行きたいかな。

竹内栖鳳|雲龍

No作家名作品名期間備考
3竹内栖鳳雲龍1887通期第1章 栖鳳登場

23歳の若い頃の作品です。
悠々と雲の中を泳いでいる印象。

水墨画ですが、口周りや頭の毛に金色を使っているのが珍しかった。

竹内栖鳳|秋渓麋鹿【落書】

No作家名作品名期間備考
18竹内栖鳳秋渓麋鹿しゅうけいびろく1896通期第1章 栖鳳登場
秋渓麋鹿
秋渓麋鹿
制作情報

[制作日]
2023年10月28日 落書き/彩色

[道具]
・鉛筆
・色鉛筆
・ノート(リングノート)


鹿が2頭いますが、すぐには見つけれませんでした。
よく見ると、手前は角がありますが、奥は角がありません。

つがい かと思ったら「麋鹿びろく」は「大鹿と鹿」という意味のようです。親子かな?

竹内栖鳳|百騒一睡【落書】

No作家名作品名期間備考
14竹内栖鳳百騒一睡1895前期第1章 栖鳳登場
百騒一睡
百騒一睡
制作情報

[制作日]
2023年10月28日 落書き/彩色

[道具]
・鉛筆
・色鉛筆
・ノート(リングノート)


右隻には眠っている犬
左隻には雀の群れが描かれています。

雀の数を数えてみました。
合計101羽でした。
左隻の第三扇は重なりが多くて自信無いですが、ここまで描いているなら100羽いるんでしょう。

左隻右隻
第 第 第 第
四 三 二 一
扇 扇 扇 扇
第 第 第 第
四 三 二 一
扇 扇 扇 扇
9 58 27 3 4 0 0 0

竹内栖鳳|枯野の狐

No作家名作品名期間備考
20竹内栖鳳枯野の狐1897前期第1章 栖鳳登場

33歳の頃で、栖鳳らしい毛並みの表現が見られます。

竹内栖鳳|絵葉書

No作家名作品名期間備考
参考竹内栖鳳絵葉書1900通期第2章 栖鳳、世界へ

ヨーロッパ外遊中の手紙で、何かの絵画を元にしたスケッチも描かれています。
書いている内容の詳細はわかりませんが、「ルーブルは後回し」みたいな記載がありました。

竹内栖鳳|獅子図/金獅

No作家名作品名期間備考
25竹内栖鳳獅子図1904前期第2章 栖鳳、世界へ
23竹内栖鳳金獅1901前期~11/12第2章 栖鳳、世界へ

1900年に実物を見てから描かれたライオン(獅子)の絵です。

「獅子図」の方は六曲一双で左右に躍動感のあるポーズをしています。
日本画の龍のように躍動感はあるのですが、何となく違和感のあるポーズです。

考えてみると、実物は見たと言っても動物園なので、躍動感のあるライオンを見たとは思えません。
なので、ポーズは想像で描かれたものですね。

まぁ、自然界でのライオンの姿を見てるはずがないので、当たり前か。
リアリティのある絵だから、違和感を感じたのかも。

金獅
金獅

その上で隣の「金獅」を見ると、こっちの方が自然体に見えて好きです。
足を舐めていますが、視線はよく見るとこちらを見ています

竹内栖鳳|象図

No作家名作品名期間備考
27竹内栖鳳象図1904前期~11/19第2章 栖鳳、世界へ

屏風に描かれた2頭の象は迫力があります。
水墨画で象を描いた金屏風は他に無いのではなかろうか。
象の硬い皮膚感も伝わってきて良い感じでした。

竹内栖鳳|ベニスの月

No作家名作品名期間備考
32竹内栖鳳ベニスの月1904前期第2章 栖鳳、世界へ
ベニスの月
ベニスの月

海外の水墨画も良いですね。

竹内栖鳳|柳下追牛図

No作家名作品名期間備考
33竹内栖鳳柳下追牛図りゅうかついぎゅうず1902前期第2章 栖鳳、世界へ

西洋画の牧歌的な雰囲気があります。
柳がカミーユ・コローの森林のようで良いです。

竹内栖鳳|蕭条

No作家名作品名期間備考
35竹内栖鳳蕭条しょうじょう1904前期第3章 日本画は一度破壊すべし

老木は薄めの墨で描かれており、白い胡粉の上に茶色で塗られたがよく映えます。
「蕭条」はひっそりと物寂しい様子のことです。

竹内栖鳳|夏鹿【落書】

No作家名作品名期間備考
96竹内栖鳳夏鹿1936通期第6章 生きものたちの賛歌
97竹内栖鳳夏鹿 下絵1936通期第6章 生きものたちの賛歌
夏鹿
夏鹿
制作情報

[制作日]
2023年10月15日 落書き/彩色

[道具]
・鉛筆
・色鉛筆
・ノート(リングノート)


景色は無く、鹿の群れだけ描いた屏風です。

1頭の鹿がこちらを見てドヤ顔しているのが気になりました。
角のある鹿はこの1頭のみ。
何か意図があるのだろうか。

竹内栖鳳|風竹野雀

No作家名作品名期間備考
100竹内栖鳳風竹野雀1934通期第6章 生きものたちの賛歌

黒い竹に2羽のが際立っています。
「蕭条」(No34)と似た感じです。

竹内栖鳳|平和

No作家名作品名期間備考
105竹内栖鳳平和1939前期第6章 生きものたちの賛歌
本展チラシ(PDF)に画像あり

2羽の兎の絵です。
「平和」という作品名には当時の時代を考えると、戦争への思いが込められている気がします。

1937年から始まった日中戦争が続いていて、世界では第二次世界大戦が始まるのが1939年です。

竹内栖鳳|清閑【落書】

No作家名作品名期間備考
116竹内栖鳳清閑1935通期第6章 生きものたちの賛歌
清閑
清閑
制作情報

[制作日]
2023年10月15日 落書き/彩色

[道具]
・鉛筆
・色鉛筆
・ノート(リングノート)


寝ている子犬が微笑ましいです。
何処かで見たことある気はします。

芦雪ろせつの子犬も良いですが、栖鳳ならこの子犬かな。


以上

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