
京都国立博物館の特集展示の感想です。
その年の干支に因んだ毎年恒例の展示です。
概要
展覧会 | 展示室 | 期間 |
---|---|---|
[陶磁]京焼における仁清 [考古]日本の須恵器と韓国の陶質土器 日本の考古資料 | 3階-1 3階-2 | 2025/01/02~03/16 |
[絵巻]神々の伝説ー八幡・厳島ー [仏画]十二天屏風の世界 [中世絵画]松竹梅の美術 [近世絵画]日本の女性画家 [中国絵画]塩都・揚州の繁栄と芸術 | 2階-1 2階-2 2階-3 2階-4 2階-5 | 2025/01/02~02/09 |
[彫刻]京都の仏像・神像 [特集展示]巳づくし―干支を愛でる― [書跡]墨蹟ー禅僧の書 [特集展示]新時代の山城鍛冶ー三品派と堀川派ー [特別公開]名刀再臨ー時代を超える優品たちー | 1階-1 1階-2 1階-3 1階-4,6 1階-5 | 2025/01/02~03/23 2025/01/02~02/02 2025/01/02~02/09 2025/01/02~03/23 2025/01/02~03/23 |
特別展ではなく常設展示と特集展示になります。
エリア毎にテーマに沿った展示がされています。
「巳づくし」は1階の1部屋です。
感想(巳づくし)
去年の「辰」は3部屋ありましたが、「巳」は1部屋だけでした。
「辰」より少ないのはわかりますが、1部屋だと物足りなかったです。
工芸品とかにありそうな気もしましたが、所蔵品だけだと厳しいのかもしれませんね。
蛇小禽図蒔絵印籠/蛇象牙彫根付
No | 作家名 | 作品名 | 年 | 備考 |
---|---|---|---|---|
10 | 古満寛哉 | 蛇小禽図蒔絵印籠および蛇象牙彫根付 印籠「古満寛哉作」銘 | 19世紀 | ー |
髑髏の緒締にも蛇がいました。
葛蛇玉|蛇玉図
No | 作家名 | 作品名 | 年 | 備考 |
---|---|---|---|---|
11 | 葛蛇玉 | 蛇玉図 | 18世紀 | ー |
変わった名前ですが、大坂の絵師です。
鯉の絵が得意で「鯉翁」とも呼ばれたそうです。
玉をくわえた蛇から玉をもらう夢を見たことから「蛇玉」を名乗り、自分の名前を広めるためにこの画題を沢山描いたそうです。
自分の名前の絵を沢山描くのは中々なメンタルです。
十二類絵巻 三巻のうち巻上【落書】
No | 作家名 | 作品名 | 年 | 備考 |
---|---|---|---|---|
13 | 作者不明 | 十二類絵巻 三巻のうち巻上 | 15世紀 | ― |
干支の展示では毎回登場する定番の絵巻です。
蛇だけ女性として描かれています。
院敒|十二神将立像(巳神将立像)
No | 作家名 | 作品名 | 年 | 備考 |
---|---|---|---|---|
15 | 院敒 | 十二神将立像(巳神将立像) | 1315 | 京都・大興寺 |
躍動感があって良かったです。
名前から察するに院派の仏師ですかね。
静嘉堂文庫美術館で見た十二神将も良かったけど、あっちは慶派でこっちは院派でした。
並べて見比べてみたい。
明兆|五百羅漢図(第17号)
No | 作家名 | 作品名 | 年 | 備考 |
---|---|---|---|---|
16 | 明兆 | 五百羅漢図(第17号) | 1386 | 重文 |
白蛇の白が鮮やかです。
よく見ると蛇の口の中に羅漢が座っているという面白い絵です。
感想(新時代の山城鍛冶)【漫画】
特集展示は三品派と堀川派の刀です。
漫画の「KATANA」の22巻にも下記の刀鍛冶が少しだけ登場していました。
流派 | 名前 |
---|---|
三品派 | 伊賀守金道 和泉守金道 丹波守吉道 越中守正俊 |
堀川派 | 堀川国広 |
短刀 銘 伊賀守金道
作品名 | 年 | 備考 |
---|---|---|
短刀 銘 伊賀守金道 | 17世紀 | 新時代の山城鍛冶 |
刃文の周り薄い刃文が広がっていて、雲みたいです。
刀 銘 吉行
作品名 | 年 | 備考 |
---|---|---|
刀 銘 吉行 | 17世紀 | 新時代の山城鍛冶 坂本龍馬所用 |
これが世に聞く坂本龍馬の愛刀「陸奥守吉行」か…。
吉行も三品派になります。
感想(その他)
須恵器 台付装飾壺/脚付三連壺【落書】
作品名 | 年 | 備考 |
---|---|---|
須恵器 台付装飾壺 | 6世紀 | 考古 兵庫県たつの市 |
須恵器 脚付三連壺 | – | 考古 出土地不明 |
<台付装飾壺>
上部に筒のようなものと、人や動物の装飾が付けられています。
下部には図形の透かしと模様が付けられていて装飾性が高いです。
<脚付三連壺>
脚の上に小さい壷が3つ付いた形をしています。
実用的な形状とは思えないのですが、単に装飾したかっただけなのか、宗教的な意味があるのか、気になりますね。
久し振りに来たら展示品入れ替わってましたね。
以前は火焔型土器が展示されてました。
鳳凰文鴟尾【落書】
作品名 | 年 | 備考 |
---|---|---|
鳳凰文鴟尾 | – | 考古 出土地不明 |

京都市栗栖野(山科あたり)の瓦窯跡で見つかったと伝わっています。
鴟尾というと、豊楽殿の発掘品を何度か見てますが、デザインが少し違う気がしますね。
以上
コメント