【美術】特別展「歌川国芳展 ―奇才絵師の魔力」大阪中之島美術館

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歌川国芳展
歌川国芳展

大阪中之島美術館の特別展です。
浮世絵師の中でもトップクラスの人気を誇る歌川国芳の回顧展です。

概要

展覧会期間
[特別展]
歌川国芳展
―奇才絵師の魔力
2024/12/21 ~ 2025/02/24
 前期:04/27~01/19 
 後期:01/21~02/24
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大阪では13年ぶりだそうです。
国芳の作品は浮世絵の展示であれば何点かはあるので、珍しくはありませんが、代表作をまとめて見れるのは贅沢ですね。

歌川国芳うたがわくによし(1797-1861)
江戸末期の浮世絵師。
迫力ある構図やユーモアのある表現など幅広い発想は唯一無二。

葛飾北斎(1760-1849)や歌川広重(1797-1858)と同時代なんですね。
浮世絵のバブル期だったかもしれません。

構成
  • 第1章 武者絵・説話─躍動する奇傑
  • 第2章 役者絵─名優奇優を描く
  • 第3章 美人画─粋と奇麗
  • 第4章 風景─新奇の構図
  • 第5章 摺物と動物画─こだわりの奇品
  • 第6章 戯画─奇想天外なユーモア
  • 第7章 風俗・情報・資料─広がる奇想

垂れ幕と展示室の入口です。

垂れ幕
垂れ幕
入口
入口

巡回展

期間美術館都道府県
2024/12/21~2025/02/24大阪中之島美術館大阪
2025/09/25~2025/11/24山口県立美術館山口
2026春愛知県美術館愛知
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感想

清盛入道布引滝遊覧 悪源太義平霊討難波次郎

No作品名備考
8清盛入道布引滝遊覧 悪源太義平霊討難波次郎きよもりにゅうどうぬのびきのたきゆうらん あくげんたよしひらのれいなんばじろうをうつ1830第1章
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悪源太はよく見る画題です。
こちらは全体攻撃ですが、国芳は下記の単体攻撃が印象に残っています。

魔津伊多見治郎/水を呑む大蛇

No作品名備考
16魔津伊多見治郎まついたみじろう1826-27第1章
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巳年なので、蛇の絵にも注目。
「松井民次郎(富次郎)」とも言うようで、蛇退治をした剣豪のようです。(実在の人物かは不明)

No作品名備考
389水を呑む大蛇1844-54特別展示(肉筆)
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大蛇が川か池の水を飲んでいる様子を描いた水墨画です。
珍しい画題で面白いです。

坂田怪童丸/金太郎鬼ヶ嶋遊

No作品名備考
39坂田怪童丸さかたかいどうまる1836第1章
40金太郎鬼ヶ嶋遊きんたろうおにがしまあそび1842第1章
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坂田怪童丸
坂田怪童丸

国芳は金太郎もよく描いています。
「金太郎鬼ヶ嶋遊」で着ている着物の犬が可愛い

蝦蟆仙人と相馬太郎良門/相馬の古内裏

No作品名備考
59蝦蟆仙人と相馬太郎良門がませんんいん そうまたろうよしかど1845-46
65相馬の古内裏そうまのふるだいり1845-46第1章
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相馬の古内裏
相馬の古内裏

国芳の代表作の一つ「相馬の古内裏」です。
内容は以前の記事を参照。

もう一つは将門の子の良門が蝦蟇仙人から術を授かる場面で、こちらも画題としては定番です。

忠臣蔵十一段目夜討之図/東西海陸紀行

No作家名作品名備考
214歌川国芳忠臣蔵十一段目夜討之図1831-32第1章
366ニューホフ東西海陸紀行1682第7章
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忠臣蔵十一段目夜討之図
忠臣蔵十一段目夜討之図

こちらも定番の作品です。
構図が「東西海陸紀行」とほぼ同じです。

春の虹蜺

No作品名備考
157春の虹蜺はる こうげい1836第1章
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題名は虹ですが、蒲焼に目がいきます。

当盛今戸の夜ざしき

No作品名備考
193当盛今戸の夜ざしきとうせいいまどのよざしき1847-48第4章
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三枚続きの浮世絵ですが、よく見ると右側の蝋燭が揺れていて、中央の女性の扇によって揺れているがわかります。
左から右へと動きのある面白い構図です。

東都名所 新吉原

No作品名備考
221東都名所 新吉原1832-33第4章
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月の光の輪が大きく描かれていて、珍しいです。

ドラゴンボールの元気玉かブルーツ波のパワーボールを思い出しますね。
「はじけてまざれっ!!」

歌川国芳・柴田是真|瓢簞に画帖

No作家名作品名備考
255歌川国芳・柴田是真しばたぜしん瓢簞に画帖1849第5章
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柴田是真との共作で国芳が役者、是真が他を担当しています。
是真は漆工家(蒔絵師)としても有名ですが、絵師としてもかなりの腕前です。

流行猫の変化

No作品名備考
296流行猫の変化1841-42第1章
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流行猫の変化
流行猫の変化

玩具絵おもちゃえ」と呼ばれるもので、着せ替えシールのように遊ぶことができます。
試しに豆腐小僧(妖怪)と娘を重ねてみます。
切って遊ぶのに端が切れているのはどうだろうか。

豆腐小僧/娘
豆腐小僧/娘

狸ト狐の遊

No作品名備考
303狸ト狐の遊1842第1章
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中央には豪華な食事が敷物の上に並んでいます。

よく見ると敷物は狸の玉袋でした。
うーん、食欲が無くなります。

妖術でドラえもんの「グルメテーブルかけ」みたいになっているのかもしれません。

みかけハこハゐがとんだいゝ人だ

No作品名備考
326みかけハこハゐがとんだいゝ人だみかけはこわいがとんだいいひとだ1847第1章
84和田合戦 朝比奈三郎義秀猛勇怪力之図1857
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みかけハこハゐがとんだいゝ人だ
みかけハこハゐがとんだいゝ人だ

これも代表作です。
家紋の「丸の内に三引両まるのうちにみつひきりょう」は和田氏が使っていたこともあり、朝比奈義秀あさひなよしひで(父が和田義盛わだよしもり)との説があります。

国芳は他にも朝比奈を描いています。
No.84は歴史上の出来事ですが、ファンタジー物もあります。

朝比奈三郎義秀猛勇怪力之図
朝比奈小人嶋遊

騙し絵で有名なアルチンボルド(1526-1593)の影響があるとの説もあります。
聞いたことがあった可能性はありますね。

歌川国貞・溪斎英泉・歌川国芳|宝船

No作家名作品名備考
362歌川国貞・溪斎英泉・歌川国芳宝船1830-40第1章
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左から国芳、国貞、英泉の順です。
七福神に鶴、亀、朝日、富士山と縁起の良い物が詰まっています。

遊女地獄図

No作品名備考
402遊女地獄図1830-44特別展示
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国芳の門下でもあった河鍋暁斎かわなべきょうさい地獄太夫じごくだゆうを思い出しました。
門下だったのは1837年から1839年の短期間ですが、この絵を見ていた可能性はありますね。
6歳で入門していたのも凄い気がします。

河鍋暁斎「地獄太夫と一休」

以上

コメント

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