【書籍】平山郁夫著「西から東にかけて」|こういうスケッチを描きたい

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日本画家である平山郁夫氏の画文集です。

西はイギリス、東は日本(奈良)にかけてシルクロードを中心に、訪れた場所の様子や思ったことを絵と文でつづった本になります。

平山画伯の素描をTVで紹介されているのを見て、興味を持ったのが読んだきっかけになります。

概要

著者について

平山郁夫氏は昭和から平成に描けて活躍された日本画家です。

画家ではありますが、バーミアン大仏の保護など、文化財保護の活動をされていたことでも有名です。

作品の特徴としてはざっくり下記です。

  • 仏教関連の作品が多い
  • シルクロードを中心とした各国の風景や物が多い
  • 素描と呼ばれる少ない線で表現した絵がある

「素描」と言うと、一般的にデッサンや線画で描いたものをイメージしますが、平山画伯の「素描」は違います。

下描きをして清書された作品になります。

厳選された線と滲ませた色による独特の画風です。

著書について

日本経済新聞に連載された「明日への展望」というエッセイが元になります。

その文章に絵を描いて展覧会が開かれ、それを画文集として刊行されたのが本書になります。

西から訪れた場所ごとに掲載されていますが、内容自体は独立しているので気に入った所を読むのも良いと思います。

見開き毎に文と絵が交互に見れるので、わかりやすい構成になっています。

文庫版しか読んでませんが、本文の後は下記が載っていました。

  • あとがき(文庫版刊行に当たって)
  • 平山郁夫年譜(1930~1991)
  • 作品の場所が印された地図

感想

素描が好きなので満足でした。

主にはシルクロードの遺跡や風景、文化財などですが、ヨーロッパや中国もあり、最後は日本の薬師寺も見れました。

平山画伯の素描が幅広く載っているので、最初に見る画集としてもお勧めです。

文庫版だと手に取りやすいですね。


素描を見た時、こういう感じでスケッチをしたいと思いました。

理想論ですが、できるだけ少ない線で対象を捉えることができたら、現地でのスケッチの時間がかなり短縮できます。

もちろん、必要な線の見極めは経験と訓練がいることで、難しいことは理解しています。

ただ、レベルは違っても線を描き過ぎないこと自体は間違い無いので、「素描」を意識することは悪いことではないと思っています。

完成形を素描のようなイメージを持って描くことが増えました。

参考に例を載せておきます。

<イメージして描いた落書き>

【落書き】往生極楽院とわらべ地蔵(大原)

<道具>
・筆ペン(顔料)
・顔彩
・画仙紙

<イメージしたけど滲まない和紙だった落書き>


以上

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