福岡県立美術館の感想です。
夏休みに福岡~佐賀を旅行してきました。
近くまで来ると大規模な工事中だったので、一瞬不安になりましたが、美術館のある須崎公園がリニューアル工事中でした。
福岡市民会館も建て替えるようです。
当初は2024年3月に開館の予定でしたが、2025年3月になる見通しとのことです。
ちなみに、美術館は新たに移転されます。
大濠公園の福岡武道館と日本庭園がある場所に2029年に開館予定です。
現在の建物は残して、未定ではありますが何かに活用予定です。
概要
展覧会 | 期間 |
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[企画展] コレクション展Ⅰ ひろがる日本画 ー日本の画、みるみるひろがる。 | 2023/06/06 ~ 2023/08/31 前期:06/06~07/17 後期:07/19~08/31 |
現在の展示は4階の展示室のみです。
展示内容は江戸後期から昭和の日本画と、新規収蔵作品として日本画、織物、陶器が展示されています。
チラシに載っていたのは下記の3作品。
・横尾芳月「茶々殿」(通期)
・山喜多次郎太「残雪」(通期)
・今中素友「松溪白雲」(前期)
巡回展
・なし
感想
福岡出身の画家が多いので、知らない画家さんが多かったです。
福岡ゆかりの作品が見れるので、観光利用でもありだと思います。
規模は大きくないですが、入場料も安いので気軽に見に行ける場所です。
一般 210円
高大生 140円
小中生 無料
衛藤良行|群鶴図
No | 作家名 | 作品名 | 年 | 期間 | 備考 |
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8 | 衛藤良行 | 群鶴図 | 江戸時代後期 | – | 第一章 |
柵や木が金泥で盛り上がるように塗られています。
雲とかは見たことありますが、こういう盛り上げ方は初めて見ました。
衛藤良行は肥後細川藩(現在の熊本)出身です。
冨田溪仙|琉球帖
No | 作家名 | 作品名 | 年 | 期間 | 備考 |
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– | 冨田溪仙 | 琉球帖 | 1917 | – | 第一章 |
何度か見たことある画家です。
京都画壇で活躍した画家ですが、福岡出身だったんですね。
琉球を訪れた翌年に描かれた作品です。
スケッチのような画風が素朴で良いです。
水上泰生|山々の装ひ
No | 作家名 | 作品名 | 年 | 期間 | 備考 |
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10 | 水上泰生 | 山々の装ひ | 1917 | – | 第二章 |
木や岩の周りが筋目描きのように縁取られていて面白い表現でした。
福岡出身の画家です。
・筋目描き
水墨画の技法の一つ。
滲んだ墨の境界にできる白い筋目を表現として利用した技法。
伊藤若冲が有名。
伊藤髟耳|ふるさとを思い出す産山 大無田【落書】
No | 作家名 | 作品名 | 年 | 期間 | 備考 |
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– | 伊藤髟耳 | ふるさとを思い出す産山 大無田 | 1997 | – | 第三章 |
今回、一番印象に残った作品です。福岡県大牟田市出身なので、大無田=大牟田と思われる。
抽象的に描かれた山々が印象的です。
メモ程度に描いてみたけど、一部だけだと何が何だか・・・。
カンディンスキーの「花嫁」を思い出した。
堂本印象|葡萄之図
No | 作家名 | 作品名 | 年 | 期間 | 備考 |
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40 | 堂本印象 | 葡萄之図 | – | 通期 | 小特集:ひろがるコレクション |
堂本印象は抽象的な絵も多いですが、これはシンプルな静物画。
濃淡が良い感じで葡萄が瑞々しくて美味しそう。
京都出身の画家です。
中村琢二|少女/婦人像
No | 作家名 | 作品名 | 年 | 期間 | 備考 |
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44 | 中村琢二 | 少女 | 1962 | 通期 | 小特集:ひろがるコレクション |
45 | 中村琢二 | 婦人像 | 戦後期 | 通期 | 小特集:ひろがるコレクション |
安井曾太郎の画の雰囲気に似ていると思ったら、教え子でした。
画風がかなり近いですね。
新潟出身ですが、福岡に移住した画家です。
吉村忠夫|模写「扇面古写経」
No | 作家名 | 作品名 | 年 | 期間 | 備考 |
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70 | 吉村忠夫 | 模写「扇面古写経」 | 1922 | 通期 | 小特集:ひろがるコレクション |
見たことある絵だと思ったら大阪にある四天王寺にある絵でした。
吉村忠夫は福岡出身で、大和絵の画家でした。
四天王寺の宝物館には2回行ったことがあるので記憶に残っていました。
髙島野十郎
展示室とは別で髙島野十郎の作品が特設コーナーで展示されています。
6月に展示替えされたので、時々変わるようです。
「蠟燭の画家」と呼ばれていて、代表作に「蝋燭」があります。
光の表現が魅力的な画家です。
福岡出身でもあり、県福岡県立美術館の中でも一押しの画家ですね。
以上
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