
京都の宝蔵寺で毎年開催されている寺宝展です。
若冲と伊藤家の菩提寺で、伊藤若冲ゆかりの作品を多く所蔵しているお寺です。
概要
展覧会 | 期間 |
---|---|
[寺宝展] 寺宝特別公開 | 2025/02/06 ~ 2024/02/11 |
2月8日は若冲の誕生日であり、若冲生誕会として毎年2月に開催されています。
5日間と短いので、見逃しやすいです。
2025年は下記の3点が初公開でした。
No | 作家名 | 作品名 |
---|---|---|
5 6 13 | 意冲 意冲 若演 | 海棠目白図 松鶴図 釣瓶に鶏図 |
・伊藤若冲(1632-1695)
江戸時代の京都の絵師。
鶏の絵が有名。
精密で極彩色な絵から簡略された水墨画まで、幅広い画風がある。
素人目にも凄いし、面白い。
美術の初心者にもオススメ。
「奇想の系譜」の一人としても知られています。
・「奇想の系譜」(1970年刊行)
美術史家の辻惟雄による美術書。
江戸時代の個性的な画家を紹介し、再評価するきっかけとなった。
<紹介された画家>
岩佐又兵衛、狩野山雪、伊藤若冲、曾我簫白、長沢芦雪、歌川国芳。
感想(拝観)
この日は雪が綺麗でした。
山門を潜ると、右手側に「八臂辨財天」があります。
正面の本堂前に「伊藤若冲親族のお墓」があります。
書院の隣にある奥庭です。
寺宝展は書院で催されています。

感想(寺宝展)
伊藤若冲|髑髏図
No | 作家名 | 作品名 | 年 | 備考 |
---|---|---|---|---|
4 | 画:伊藤若冲 賛:高遊外(売茶翁) | 髑髏図 | – | ー |
宝蔵寺の所蔵品の中でも代表的な作品です。
拝観時に貰った紙のデザインにも使われています。
人は「皮袋に入った魂であり、魂の入った皮袋」そんなもん、という感じでしょうか。
般若心経の「空即是色 色即是空」のような言葉です。
一霊皮袋 皮袋一霊
古人之語 八十六翁 高遊外
意冲|海棠目白図
No | 作家名 | 作品名 | 年 | 備考 |
---|---|---|---|---|
5 | 意冲 | 海棠目白図 | 1767 | ー |
チラシにも使われている作品です。
意冲は若冲の弟子です。
2年前に入手していたようですが、今年正式に発表されたようです。
環冲|樹下雄鶏図
No | 作家名 | 作品名 | 年 | 備考 |
---|---|---|---|---|
7 | 環冲 | 樹下雄鶏図 | – | ー |
若冲の弟子で、たらし込みを使った鶏の水墨画です。
若冲の影響を思わせる鶏の水墨画です。
松本奉時|蛙図
No | 作家名 | 作品名 | 年 | 備考 |
---|---|---|---|---|
12 | 松本奉時 | 蛙図 | – | ー |
丸く膨らんだ身体が印象的で、蛙が好きでよく描いたそうです。
若冲とも親交があったようです。
若演|釣瓶に鶏図
No | 作家名 | 作品名 | 年 | 備考 |
---|---|---|---|---|
13 | 若演 | 釣瓶に鶏図 | – | 初公開 |
こちらも若冲の影響を思わせる鶏の水墨画です。
若演は生没年もわからず、詳細不明です。
若冲の弟子や子の説があります。
伊藤白歳|羅漢図
No | 作家名 | 作品名 | 年 | 備考 |
---|---|---|---|---|
15 | 伊藤白歳 | 羅漢図 | – | ー |
服が力強い筆で描かれていて、曾我蕭白(1730-1781)のような画風です。
そのせいか、「曾我蕭白」の名前が入っており、後から書かれたようです。
伊藤白歳(1719-1792)は若冲の弟で、名前は「白菜」にかけたと考えられています。
青物問屋らしい名前ですが、蕭白のことも意識している可能性はありますね。
以上
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