【美術】特別展「東山魁夷と日本の夏」山種美術館

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東山魁夷と日本の夏
東山魁夷と日本の夏

東京の恵比寿にある山種美術館で開催されている特別展です。

有名な日本画が沢山あり、一度来てみたかった美術館です。

概要

展覧会期間
[特別展]
東山魁夷と日本の夏
2024/07/20 ~ 2024/09/23

東山魁夷と夏を描いた作品を集めた展示です。
浮世絵や洋画も少しあります。

構成
  • 第1章 東山魁夷と日本の四季
  • 第2章 日本の夏

一部の作品で展示替えがあります。
3点は個人蔵で、それ以外は山種美術館の所蔵品です。

No作家名作品名期間備考
26
45
葛飾北斎
上村松園
冨嶽三十六景 凱風快晴
盆踊り
1830
1934
※展示期間限定
7/20-8/18
37
43
歌川広重東海道五十三次之内 池鯉鮒・首夏馬市
名所江戸百景 大はしあたけの夕立
1833-36
1857
※展示期間限定
8/20-9/23
30
32
OL1
石田武
並木秀俊
並木秀俊
四季奥入瀬 瑠璃
華火
不忍蓮夜図
1985
2023
2024
個人蔵

建物の一角に奥村土牛の代表作「醍醐」に描かれている桜があります。
京都の醍醐寺にある「太閤しだれ桜」を組織培養で増殖したものです。

山種美術館の開館55周年記念に寄贈されたようです。

土牛の桜
土牛の桜

巡回展

・なし

感想

東山魁夷|白い嶺

No作家名作品名備考
3東山魁夷白い嶺1964第1章

蔵王の樹氷です。

2年前の19年にヨーロッパを旅行しており、北欧も訪れています。
自然の描写にはその時の影響がありそうですね。

「映象」1962

東山魁夷|春静/年暮る/緑潤う/秋彩

No作家名作品名備考
6
7
8
9
東山魁夷春静はるしずか
年暮るとしく  
緑潤うみどりうるお  
秋彩しゅうさい
1968
1968
1976
1986
第1章

京洛四季けいらくしき」と呼ばれるシリーズのうち4点です。

<春静>
鷹ヶ峰(北山の方)の風景です。

<年暮る>
深々と降る雪が京都の冬って感じです。

鴨川沿いから東山方向の風景で、奥に見える寺は要法寺だそうです。
本堂の手前に新堂らしきものが見えるので、配置的にも合ってそうです。

<緑潤う>

緑潤う
緑潤う

「東山ブルー」とも呼ばれる群青、緑青が使われている作品です。
自然の風景を描いた印象はありましたが、庭園は初めて見たかもしれません。

<秋彩>
小倉山(嵐山の方)の風景です。

東山魁夷|満ち来る潮/スケッチ/習作

No作家名作品名備考
10-12
13-14
15
16-17
18
19
東山魁夷岩 スケッチ(1)~(3)
浪 スケッチ(1)~(2)
海 スケッチ
満ち来る潮 古下図(1)~(2)
満ち来る潮みちくるうしお
唐招提寺とうしょうだいじ壁画「濤声とうせい」のための習作
1966
1966
1966
1969-70
1970
1974
第1章

東山魁夷の波と言えば唐招提寺の「濤声」のイメージです。
それより前にも描いていたんですね。

「満ち来る潮」は金箔プラチナ箔が砂子として散りばめられていて、幻想的な美しさがあります。
同じ波でも印象が全然違いますね。

「満ち来る潮」は元々、1968年に皇居新宮殿の壁画の為に描かれた「朝明けの潮」を一般の人にも見れるようにと、初代館長の山﨑種二が東山魁夷に依頼したそうです。

宮殿の写真「波の間」

ちなみに、「朝明けの潮」は歌舞伎座の緞帳にも使われているようです。

川合玉堂|早乙女

No作家名作品名備考
20川合玉堂かわいぎょくどう早乙女さおとめ1945第1章

東山魁夷が師事した一人です。

田んぼの畦道が琳派でお馴染みのたらし込みで描かれていて、独特の雰囲気が出ています。
遠近感が変な感じに見えて、妙な感覚です。

結城素明|躑躅百合/夏渓欲雨

No作家名作品名備考
21
22
結城素明ゆうきそめい躑躅百合つつじゆり
夏渓欲雨かけいよくう
1930
1940
第1章

東山魁夷が師事した一人です。
素明の「心を鏡のようにして自然を見せておいで」という言葉が大きな影響を与えたようです。

<躑躅百合>

伝統的な花鳥画です。

<夏渓欲雨>

春山晴靄・夏渓欲雨・秋嶺帰雲・冬海雪霽しゅんざんせいあい ・ かけいよくう  ・ しゅうれいきうん ・ とうかいせっせい」の4幅対のうち1幅です。

速い筆致で描かれていて、夏の強い雨に見えます。
「躑躅百合」とは全く違う画風ですね。

川崎小虎|初夏

No作家名作品名備考
23川崎小虎かわさきしょうこ初夏1943第1章

長女のすみが東山魁夷の妻となり、東山魁夷の岳父になります。

福田平八郎っぽい画風に見えました。
時代は近いので、共通点を調べて見たら二人とも1937年に新文展の審査員に就任していました。
まぁ、福田は京都、川崎は東京なので、直接的なつながりは少なそうです。

・福田平八郎(1892-1974)
・川崎小虎(1886-1977)

川端龍子|鳴門

No作家名作品名備考
28川端龍子かわばたりゅうし鳴門1929第2章

迫力ある屏風絵です。

陸が近く、波が段になっていて、川みたいに見えますが、実際に見ていないそうです。

並木秀俊|華火/不忍蓮夜図

No作家名作品名備考
32
OL1
並木秀俊なみきひでとし華火
不忍蓮夜図
2023
2024
第2章

板に截金で絵を描いた珍しい作品。
綺麗です。

元々、日本画専攻のようです。

上村松園|蛍/夕べ

No作家名作品名備考
44
45
49
50
上村松園
盆踊り
夕べ
夏美人
1913
1934
1935
1942
第2章

上村松園は安定して綺麗です。

<蛍>

蛍の光に金が使われているのですが、よく見ると蚊帳の金具にも金を使っていました。
身に着けている物からも、高級な所な感じがしますね。


<夕べ>

すだれの一本一本が立体感のあるように描かれていて、細部までとても繊細に描かれています。

池田輝方|夕立

No作家名作品名備考
46池田輝方いけだてるかた夕立1916第2章

人物の表情が女性画家っぽい画風です。
島成園を思い出しました。

調べたら、池田蕉園いけだしょうえん(旧姓・榊原)の夫でした。

池田蕉園は東京の女性画家で、京都の上村松園と「東の蕉園、西の松園」、大阪の島成園を入れて「三都三園」と呼ばれた実力者です。


以上

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