【美術】開館記念展「皇室のみやび―受け継ぐ美― 第3期」皇居三の丸尚蔵館

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皇室のみやび―受け継ぐ美―
皇室のみやび―受け継ぐ美―

皇居三の丸尚蔵館のリニューアル開館記念展です。
(旧:三の丸尚蔵館)

2017年に行った頃はもっと小さかったので、広く綺麗になりました。

概要

展覧会期間
[開館記念展]
皇室のみやび―受け継ぐ美―
第1期 三の丸尚蔵館の国宝
第2期 近代皇室を彩る技と美
第3期 近世の御所を飾った品々
第4期 三の丸尚蔵館の名品

<前期>      │<後期>
2023/11/03~11/26|11/28~12/24
2024/01/04~02/04|02/06~03/03
2024/03/12~04/07|04/09~05/12
2024/05/21~2024/06/23(展示替あり)

2024年11月に30周年を迎えるということで、「三の丸尚蔵館」が「皇居三の丸尚蔵館」にリニューアルされました。
それに伴い、4期に分けて皇室ゆかりの所蔵品が展示されています。

巡回展

・なし

感想

皇室ゆかりの作品なので、質が良い物ばかりです。

ただ、作品数が少ないので物足りなかったです。
館内は広々としていたので、もう少し展示台を置いて欲しかったです。

第3期は前期:22点、後期:25点です。(他の期も数は少ない)
入館料が一般だと1000円なので、割高感は否めません。

全4期で前後期があるとして、全部行ったら8000円になります。
1回しか行かない場合は、8分の1しか見てないことになるので、それで図録を買うのもどうだろうか

せめてリピーター割引を採用して欲しいです。
2回目以降は500円にしてくれたら、2000円で3回行けるので、まぁ、納得できそうです。


ちなみに、隣に新しい展示棟が建設中で、2026年にグランドオープン予定のようです。
展示数が増えるのは嬉しいですが、価格も気になる所ですね。
2,000円になりそうな気もします。

琉球塗板屏風

No作家名作品名期間備考
5琉球塗板屏風りゅうきゅうぬりいたびょうぶ17~18世紀後期
琉球塗板屏風(表)
琉球塗板屏風(表)
琉球塗板屏風(裏)
琉球塗板屏風(裏)

密陀絵という油絵の一種で描かれた屏風です。
朱色が琉球らしいですね。

密陀絵みつだえ
日本の油彩絵画技法。
乾性の油(えごま油など)に密陀僧(一酸化鉛)と呼ばれる顔料を溶く。


密陀絵について調べてたら見たことがある気がしてきて、ブログ内を調べてたら書いてました。
説明を読んでようやく既視感が出てきました。

琉球塗料紙箱・硯箱

No作家名作品名期間備考
4琉球塗料紙箱りゅうきゅうぬりりょうしばこ硯箱すずりばこ17世紀後期
琉球塗料紙箱
琉球塗料紙箱
琉球塗硯箱
琉球塗硯箱

こちらも琉球塗ですが、全体的に白いです。
見た目の通り、白密陀しろみつだと呼ばれる白い密陀絵で描かれています。

こういうのは黒い漆や金色の蒔絵のイメージがありますが、白も面白いです。
劣化が見られるので、新しい状態のものも見てみたいです。

泔坏・菊花散蒔絵台

No作家名作品名期間備考
15泔坏するつき菊花散蒔絵台きっかちらしまきえだい18世紀後期
上:泔坏、下:菊花散蒔絵台
上:泔坏、下:菊花散蒔絵台

泔は調髪に使う湯水(米のとぎ汁)のこと。

銀製の泔坏が綺麗です。
用途は違うけど、金平糖とか綺麗な飴を入れたい。

梨子地菊花散蒔絵角盥・楾

No作家名作品名期間備考
16梨子地菊花散蒔絵角盥なじじきっかちらしまきえつのだらいはそう18世紀後期
左:梨子地菊花散蒔絵角盥、右:梨子地菊花散蒔絵楾
左:角盥、右:楾
左:梨子地菊花散蒔絵角盥、右:梨子地菊花散蒔絵楾
左:角盥、右:楾

うがいや手洗いに使う道具だそうです。
「楾」は見慣れない字ですが、水を注ぐ道具で、「はんぞう」とも読みます。

表面の梨地なしじが綺麗です。

光柳|胡蝶蒔絵印籠/光斎|野馬蒔絵印籠

No作家名作品名期間備考
19-2光柳こうりゅう胡蝶蒔絵印籠こちょうまきえいんろう19世紀後期
19-5光斎こうさい
根付:道笑どうしょう
野馬蒔絵印籠のうままきえいんろう19世紀後期
左:野馬蒔絵印籠、右:胡蝶蒔絵印籠
左:野馬蒔絵印籠、右:胡蝶蒔絵印籠

孝明天皇こうめい    (明治天皇の父)のコレクションです。
根付も含めて、小さくても美術の粋が詰まってます。

今年は胡蝶をよく見かける気がします。
前日の「大吉原展」でも浮世絵に描かれていました。

円山応立|牡丹に蝶 茶に小鳥図衝立

No作家名作品名期間備考
24円山応立牡丹に蝶 茶に小鳥図衝立19世紀後期
牡丹に蝶 茶に小鳥図衝立(表)
牡丹に蝶 茶に小鳥図衝立(表)
牡丹に蝶 茶に小鳥図衝立(裏)
牡丹に蝶 茶に小鳥図衝立(裏)

円山応立(1817-1875) は円山応挙から数えて円山派四代目になります。
円山応挙の作品(No.30)も展示されてます。

・円山派  まるやまは
円山応挙を祖とし、4代目の応立で途絶える。
応立の弟子の国井応文が円山派を引き継ぐ。

代目生年~没年備考
1円山応挙1733-1795
2円山応瑞1766-1829応挙の長男
3円山応震1790-1838応瑞の弟の応受の子
4円山応立1817-1875応震の養子
5国井応文1833-1887
6国井応陽1868-1923
7円山応祥1904-1981
8円山慶祥1947-
9円山真祥1971-

海北友松|浜松図屏風

No作家名作品名期間備考
28海北友松かいほうゆうしょう浜松図屏風1605後期
浜松図屏風
浜松図屏風

松はかなりべたっと描かれていてます。
独特な配置ですが、全体的に見ると陸、川、松の三色がバランスよく配置されているようにも見えます。


以前、京都で回顧展を見たことがあるので、記憶に残っている絵師でした。

円山応挙|源氏四季図屏風

No作家名作品名期間備考
30円山応挙源氏四季図屏風18世紀後期
源氏四季図屏風(左隻)
源氏四季図屏風(左隻)
源氏四季図屏風(右隻)
源氏四季図屏風(右隻)

No.24は円山派4代目でしたが、こちらは初代の円山応挙です。
「源氏物語」に出てくる「六条院」の庭園です。
「六条院」は平安京の六条辺りにあったという架空の邸宅です。

藤原行成|雲紙本和漢朗詠集

No作家名作品名期間備考
31 藤原行成    ふじわらのゆきなり(こうぜい)雲紙本和漢朗詠集くもがみぼんわかんろうえいしゅう 巻上11世紀通期
半期巻替
国宝指定
国宝指定
雲紙本和漢朗詠集
雲紙本和漢朗詠集

2024年3月15日に国宝指定されたものです。

テーマ毎の歌が書かれています。
菊、九月くがつじん(※)、女郎花おみなえし、萩、など
※九月尽=旧暦九月末日

藤原公任ふじわらのきんとうの「和漢朗詠集」を書写したもので、「伝 藤原行成」となっているが、源兼行みなもとのかねゆきの筆と推定されています。

・藤原行成(972-1028)
・源兼行(1000-1100頃)
二人とも能書家で、行成は三蹟さんせきとしても名が知られています。
源兼行は知名度が低く、情報も少ない。

三蹟さんせき
平安中期の三人の能書家。
小野道風おののみちかぜ/とうふう  (894-966)
藤原佐理ふじわらのすけまさ/さり  (944-998)
藤原行成ふじわらのゆきなり/こうぜい(972-1028)

伏見宮貞敦親王|和歌懐紙・詩歌懐紙張交屏風

No作家名作品名期間備考
34伏見宮貞敦親王ほか和歌懐紙・詩歌懐紙張交屏風 わかかいし  しいかかいしはりまぜびょうぶ16~17世紀後期
甘露寺
甘露寺
和歌懐紙・詩歌懐紙張交屏風
和歌懐紙・詩歌懐紙張交屏風

甘露寺元長かんろじもとなが」、「甘露寺伊長かんろじこれなが」という名が気になっただけです。
人気漫画の鬼滅の刃 きめつ やいばのキャラで「甘露寺」という苗字のキャラが出てくるのですが、他では初めて見ました。

甘露寺家は藤原家を祖とする公家の家柄になります。

狩野永岳|源氏物語図屏風

No作家名作品名期間備考
36狩野永岳かのうえいがく源氏物語図屏風19世紀後期
源氏物語図屏風(左隻)
源氏物語図屏風(左隻)
源氏物語図屏風(右隻)
源氏物語図屏風(右隻)
左隻右隻
松風   | 澪標みおつくし澪標みおつくし  | 紅葉賀もみじのが
明石の君 |    
明石の姫君|    
光源氏  |
光源氏 | 光源氏
花散里 | 紫上

江戸時代後期の作品ですが、色鮮やかです。


以上

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