福田美術館と共同開催されている特別展の感想です。
- 嵯峨嵐山文華館(第1会場)
- 福田美術館(第2会場)
松尾芭蕉の「野ざらし紀行図巻」が再発見されたことを記念して、蕪村が憧れた芭蕉と、蕪村と同年代の若冲にスポットを当てた展覧会になります。
概要
展覧会 | 期間 |
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[特別展] 芭蕉と蕪村と若冲 | 2022/10/22 ~ 2023/01/09 前期:10/22~11/28 後期:11/30~01/09 |
嵯峨嵐山文華館(第1会場)では蕪村と芭蕉の作品がメインになります。
「野ざらし紀行図巻」は福田美術館で公開されているので、どっちかしか見れないのであればこっちを諦めることになります。
ちなみに、前期は若冲の「松尾芭蕉象」があったようですが、後期は若冲の作品展示はありません。
「野ざらし紀行図巻」の再発見については下記のニュースに記載がありました。
1970年代中頃から所在不明だったようですが、2021年12月に大阪の美術商から連絡があったそうです。
感想
書簡や俳句が多いので、絵をメインで見てると見所は少なくなります。
色んな画家の松尾芭蕉像が見れたのは面白かったです。
以下に印象に残ったものを書いていきます。
俳句:松尾芭蕉、極書:沢露川|「ふる池や」発句短冊・極書
No | 作家名 | 作品名 | 年 | 期間 | 備考 |
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1 | 俳句:松尾芭蕉 極書:沢露川 | 「ふる池や」発句短冊・極書 | 17世紀 | 通期 | ー |
「ふる池やかはづ飛こむ水の音」
芭蕉と言えばこの俳句。直筆だそうです。
右端の一行が俳句で、以降が極書の内容になります。
最後の行には露川の俳句が書かれています。
「散らさずにながめよ花のもしほ草」
・極書
鑑定書のこと。
与謝蕪村|松尾芭蕉像【落書】
No | 作家名 | 作品名 | 年 | 期間 | 備考 |
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2 | 与謝蕪村 | 松尾芭蕉像 | 1782 | 通期 | ー |
一つ位は描こうと思って描いてみましたが、表情が全然違いました。
誰だこの悪そうな顔は・・・。
与謝蕪村|さみだれや」自画賛
No | 作家名 | 作品名 | 年 | 期間 | 備考 |
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32 | 与謝蕪村 | 「さみだれや」自画賛 | 18世紀 | 後期 | ー |
「さみだれや何を茶に汲淀の人」
船頭を描いた作品です。
雨が続いて川が増水している為、水を汲めない状態の船頭です。
船頭以外は何も見えないので、視界が悪い位の雨の中で佇んでいるようにも見えます。
画:中村芳中、俳句:江森月居|松尾芭蕉像
No | 作家名 | 作品名 | 年 | 期間 | 備考 |
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49 | 画:中村芳中 俳句:江森月居 | 松尾芭蕉像 | 18-19世紀 | 後期 | ー |
「いざさらば雪見にころぶところまで」
かなりユーモアのある表情です。
髭が濃く描かれているのが多かったのですが、旅に出てるからでしょうかね?
多くて意外でした。
与謝蕪村|筏士画賛
No | 作家名 | 作品名 | 年 | 期間 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
74 | 与謝蕪村 | 筏士画賛 | 18世紀 | 後期 | ー |
「いかだしの みのやあらしの 花衣」
同じく船頭を描いた作品です。
嵐山では筏士自体も名物だったようです。
雨に濡れた蓑に花びらがかかって、美しい衣に見えるという内容になります。
ちはやふる小倉山杯優勝記念扇
No | 作家名 | 作品名 | 年 | 期間 | 備考 |
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ー | ー | ちはやふる小倉山杯優勝記念扇 | 2020 | 通期 | ー |
常設展でちはやふる小倉山杯の優勝者に送られる扇子が展示されていました。
豪華で良いですね。
・ちはやふる小倉山杯
ちはやふるの作者である末次先生を中心に活動している「ちはやふる基金」によって開催している競技かるたの大会です。
2020年から始まり、2023年で4回目になります。
2015年に来た時はもっと百人一首の展示があったのですが、かなり小規模になってました。
企画展の影響もあると思いますが、もう少し常設用のスペースがあってもいいかな、と思いました。
2018年のリニューアルで百人一首以外の展示が多くなったようです。
・2007年~ 小倉百人一首殿堂「時雨殿」
(2012年リニューアル)
・2018年~ 嵯峨嵐山文華館
以上
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