大阪大学総合学術博物です。
大学のミュージアムは久し振りです。
伊丹空港の近くでした。
行ったことが無かったので、気になっていた場所です。
特別展で紹介されている藤野先生の一人は今年の初めに行った福井の「藤野厳九郎記念館」で知っていたので、これも何かの縁だと思い行くことにしました。
概要
展覧会 | 期間 |
---|---|
常設展 | – |
[特別展] 三人の藤野先生、その生涯と交流 −升八郎と洪庵、厳九郎と魯迅、恒三郎と遼太郎− | 2024/04/24 ~ 2024/06/22 |
常設展では大学に縁のある研究者、資料、標本などが展示されています。
生物や歴史だけでなく、科学的な分野の展示が多いのが印象的でした。
関りの深い著名人の一人に湯川秀樹がいます。
ノーベル賞は大阪大学にいた頃の研究です。
・湯川秀樹(1907-1981)
物理学者。
日本人初のノーベル賞受賞者(物理学賞)。
年 | 内容 |
---|---|
1907 | 東京で生まれる |
1908 | 京都に移住 以降、大半を京都で過ごす為、出身は京都としている |
1933 | 大阪大学の講師になる(旧大阪帝国大学) |
1934 | 「素粒子の相互作用についてI」を発表 ※ノーベル賞につながる |
1939 | 京都大学へ移る(旧京都帝国大学) |
1949 | ノーベル物理学賞 |
1981 | 京都で亡くなる |
感想(常設展)
ステンドグラス
階段の踊り場にあるステンドグラスが綺麗でした。
1~2F、2~3F共に同じデザインです。
詳細は不明ですが、モンドリアンカラーっぽいデザインですね。
建物自体は1931年に建てられています。
モンドリアン(1872-1944)の作品に影響を受けた可能性はありますね。
城憲三など|大阪大学真空管計算機
作家名 | 作品名 | 年 | 備考 |
---|---|---|---|
城憲三など | 大阪大学真空管計算機 | 1950年代 | 1F |
戦後に大阪大学で作られた真空管計算機(初期のコンピューター)が展示されています。
同時期にはFUJIC(富士フィルム 49-56)、TAC(東京大学、東京芝浦電気 52-62)などのコンピュータが作られました。
(2024/08/13追記)
FUJICは東京の国立科学博物館に展示されていました。
顕微鏡
作家名 | 作品名 | 年 | 備考 |
---|---|---|---|
ー | 顕微鏡[推定復元模型] | 江戸時代 | 2F |
江戸時代の学者の中井履軒が使用していたものです。
工芸品みたいに綺麗でした。
2Fの「みる科学」では顕微鏡で色んなサンプルを見ることができます。
美術関連(2F「大阪大学の系譜」)
作家名 | 作品名 | 年 | 備考 |
---|---|---|---|
伊藤東涯 | 講義図 | – | ー |
画:中井藍江 賛:中井竹山 | 中井竹山肖像画 | 1798 | ー |
ー | 中井履軒肖像画 | – | ー |
中井履軒 | 左九羅帖 博山香炉 | – | ー |
ー | 越爼弄筆 | 1773 | ー |
画:南譲 賛:篠崎小竹 | 緒方洪庵肖像 | 1850 | ー |
ー | 扶氏医戒大略ならびに洪庵像 | – | ー |
川合敏久 | ハラタマ胸像 | – | ー |
松田尚之 | 大阪高等学校記念像 | – | ー |
学生によるアート作品 | 夕方のパラソル席 圧縞 (?作品名が違うかも) 交錯 | – | ー |
展示は主に複製です。
美術関連(3F「待兼山に学ぶ」)
作家名 | 作品名 | 年 | 備考 |
---|---|---|---|
文:秋里籬島 絵:丹羽桃渓 | 摂津名所図会 巻の六 待兼山 | 1798 | ー |
眉山玉震 | 久留米藩大阪蔵屋敷絵図 蛸の松と久留米藩蔵屋敷 | 1867 | ー |
待兼山は名所だったんですね。
歌にもよく歌われていたようです。
馬曳の埴輪【落書】
作家名 | 作品名 | 年 | 備考 |
---|---|---|---|
ー | 馬曳の埴輪 | 5世紀 | ー |
5号墳から出土した埴輪です。
馬の埴輪とセットで展示されています。
頬や口に線が入っています。
化粧か刺青でしょうか。
感想(特別展)
三人の藤野先生の関係は下記です。
藤野升八郎 ┬ 三男:厳九郎
└ 次男:明二郎(恒宅) ─ 三男:恒三郎
藤野家と大阪大学との関わりは適塾にあります。
藤野升八郎は適塾で学び、その関係で孫の恒三郎は適塾の顕彰活動に尽力しました。
適塾は大阪大学の前身にあたります。
美術関連(3F 多目的ルーム)
作家名 | 作品名 | 年 | 備考 |
---|---|---|---|
雲華 | 蘭之図 | 1798 | ー |
島田墨仙 | 橋本左内肖像画 | 1910 | ー |
加藤四郎 | ジェンナー大理石像(写真) | 1981 | ー |
西村真琴 | 魯迅に送った鳩の絵 | 1933 | ー |
ー | 展覧会のチケット ・ラファエロの壁画 大丸ミュージアム 創業270年 ・富岡鉄斎展 大阪三越 7階アートフォーラム | 1987 | ー |
展覧会のチケットは藤野恒三郎が清水洋子という方に手紙と一緒に送ったものです。
ラファエロの壁画は写真が美しいだろう、富岡鉄斎展は迫力絶大だろう、との期待が込められた文が書かれていました。
以上
コメント