京都国立近代美術館で開催されている特別展の感想です。
開館60周年記念の特別展です。
概要
展覧会 | 期間 |
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[特別展] 甲斐荘楠音の全貌 ―絵画、演劇、映画を越境する個性 | 2023/02/11 ~ 2023/04/09 前期:02/11~03/12 後期:03/14~04/09 |
甲斐荘楠音は大正から昭和初期にかけて京都で活躍された日本画家です。
甲斐庄とも書きます。
昭和になってからは映画の時代風俗考証家としても活躍し、関わった映画は200本以上あり、日本の映画界に残した功績も少なくないと言われています。
京都国立近代美術館では1997年に開催された「甲斐庄楠音展」以来の2回目の回顧展になります。
前回は画業中心だった為、今回は業績全体を見れる特別展です。
展示替え作品は下記です。
見所で言うと、前期は「横櫛」、後期は「青衣の女」かな。
・前期
横櫛、母、白首、女の顔
・後期
金針を持つ女、花札と女、青衣の女、椅子に座る女、畜生塚由来(草稿)
2~3章は映画関連が中心です。
衣装(着物)が多数展示されてます。
1階と展示階(2階)の出口で映画の映像(一部)が見れました。
うろ覚えですが、下記が流れていたと思います。
・旗本退屈男 謎の暗殺隊
・忠臣蔵 桜花の巻 ・ 菊花の巻
・鳳城の花嫁
・任侠中仙道
・任侠東海道
巡回展
・2023/07/01〜08/27 東京ステーションギャラリー
感想
別の展覧会のチラシで見たことはあったんですが、ちゃんと見たのは初めてです。
不気味な絵の印象があったので、行くかは迷っていたのですが、行って良かったです。
不気味な絵ばかりでもなく、色彩豊かで見応えありました。
映画関連については、衣装のデザインも見ていて面白かったのですが、自分の美術鑑賞は絵がメインなので絵をもっと見たかったかな。
以下に印象に残ったものを書いていきます。
横櫛【落書】
No | 作家名 | 作品名 | 年 | 期間 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
5 | ー | 横櫛 | 1916 | 前期 | 初展示:卒業制作 所蔵:京都国立近代美術館 |
6 | ー | 横櫛 | 1918 | 前期 | 初展示:第1回国画創作協会展 所蔵:広島県立美術館 |
2パターンを比較して見れるのが良いですね。
表情や雰囲気が全く違います。
(自分の絵は再現できてませんが)
1916年版の方が生々しくて、印象的です。
1918年版は綺麗ですが、個性は薄くなっています。
展覧会用に合わせたかな?
1918年版は後に修繕され、背景が変わっています。
詳しい記事があったので、下記をご参照下さい。
幻覚(踊る女)【落書】
No | 作家名 | 作品名 | 年 | 期間 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
11 | ー | 幻覚(踊る女) | 1920 | 通期 | ー |
炎で燃えてるような幻想的な絵です。
タイトル通り幻覚でも見ているかのようで、恐ろしくもあり、美しくもあります。
自分の絵は上手く描けていないので、実物で見て欲しいです。
「歌麿をめぐる五人の女」のスケッチ【落書】
No | 作家名 | 作品名 | 年 | 期間 | 備考 |
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⑥ | ー | 「歌麿をめぐる五人の女」のスケッチ | 1946 | 通期 | ー |
映画関連は古い映画なので知ってるものは無いと思っていましたが、1つだけ見たことありました。
それが「歌麿をめぐる五人の女」です。
たまたま、京都文化博物館フィルムシアターで見たことがありました。
こんな所でつながるとは・・・。
YouTubeでも見れるようです。
虹のかけ橋(七妍)【落書】
No | 作家名 | 作品名 | 年 | 期間 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
42 | ー | 虹のかけ橋(七妍) | 1915~76 | 通期 | ー |
六曲一双の屏風で、制作期間が約60年と異常な長さです。
まさに人生をかけた作品と言えるでしょう。
着物の柄が細かく、色も鮮やかで、素晴らしい作品です。
映画の衣装を手掛けた経験も役立ってそうです。
今回の展覧会ではこの絵が一番良かった。
髪型の構造が複雑で気になったので、描いてみましたが、難しかったです。
以上
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