佐賀県唐津市の文化施設を色々見てきましたので、まとめて書きます。
夏休みに福岡~佐賀を旅行してきました。
唐津くんち、唐津焼は街の色んな所で見かけます。
アニメと積極的にコラボしていたり、呼子や名護屋など、文化的に豊かな所だと思いました。
河村美術館
河村晴生氏が設立した私立の美術館です。
父の河村龍夫が収集したコレクションを公開、維持する為に作られました。
河村父子は関西の人間のようですが、祖先が唐津にいたそうです。
洋画家の青木繁の作品を多数所蔵しており、常設展示しています。
大きな美術館ではありませんが、有名な画家の作品が沢山あります。
静かで落ち着いた美術館で、良い時間を過ごせます。
ただし、土日しか空いていないので、来館する際は注意が必要です。
赤松麟作|薔薇【落書】
No | 作家名 | 作品名 | 年 | 期間 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
– | 赤松麟作 | 薔薇 | 1940 | – | 常設展示室 |
聞いたことある画家だと思ったら岡山出身の画家だったので、岡山県立美術館で見たんだと思います。
記事内では取り上げてはいませんが、たぶん3か月前にみてます。
そうなると右下に置いてあるのは「倉敷はりこ」だということもわかります。
倉敷民藝館で見たうさぎとそっくりです。
これはねずみかな?
ちなみに、大原美術館で知った児島虎次郎の作品もありました。
思っているよりも有名なのか?
旧大島邸
実業家の大島小太郎の旧宅です。
大島は唐津銀行の創立、鉄道や道路の敷設、市街地の電化など、唐津の近代化に貢献した人物です。
主屋は1893年に建てられと考えられていますが、現在の建物は古写真から復元したものになります。
立派な建物で絵や装飾など見応えがありました。
主屋の一番広い15畳の和室です。
障子にもガラスが付けられていました。歪んだガラスがレトロで良いですね。
左上の天袋小襖の絵は唐津藩の御用絵師だった長谷川雪塘によるものです。
下段の襖の絵も凝っていて、胡粉による立体表現が凄いです。
取っ手も経年劣化はしていますが、デザイン性が高いです。
意匠の優れた住宅は欄間、障子、襖、照明器具などが定番の見所ですが、この家も例外ではありませんでした。
たぶん見つけれていないこだわりポイントも一杯あるでしょうね。
最後は厠です。
小便器は内側にも絵が描かれているので、小便をかけるのが悪い気がする。
(※展示のみなので使用できません)
旧高取邸
炭鉱主の高取伊好の邸宅で、元は1905年に建てられたものですが、昭和初期の頃の状態に修復しています。
前述の大島邸も良かったですが、こちらも凄いです。
洋間や茶室もあり、さらには個人宅なのに能舞台があります。
襖や敷居を取り外すことで使い分け可能な仕組みになっています。
スタッフの方が詳しくわかりやすく説明してくれるので、説明を受けながら見ることをお勧めします。
唐津くんち
唐津を代表する行事の「唐津くんち」は唐津神社の秋祭りのことで、毎年11月3日~4日に行われます。
ユネスコの無形文化遺産にも登録されています。
・くんち
九州北部で使われる秋祭りのこと。
語源の説としては「九日」、「供日」、「宮日」がある。
唐津神社
白い鳥居が綺麗です。
海が近いので白も合っている気がします。
曳山展示場
唐津くんちで登場する曳山を公開している場所です。
14台が一堂に介する姿は壮観です。
いや、一つ足りてませんね。
左から10番目の「十番曳山 上杉謙信の兜」が修理中と言うことで13台でした。
ちなみに、元々の曳山展示場は建て替え中で、一時的に現在の場所に移っているそうです。
市民会館と一体となった新しい施設になるようです。
完成予定は2023年8月の関連記事を読むと2026年中の開館を目指しているようです。
イメージ図が下記の記事に載っていました。
唐津神社の隣ですね。
そう言えば工事中でした。
(前述の唐津神社の写真の左側)
西ノ門館
展示内容 | 期間 |
---|---|
・曳山の蔵(曳山修理場) ・展示室 ・唐津焼展示 ・土産物コーナー | ー |
ちょっとした展示と土産物を販売している施設かと思っていたら、曳山修理場があって、修理中の曳山がありました。
そうです。曳山展示場で見れなかった「上杉謙信の兜」です。
これで一応、14台見たことになるので、嬉しい出会いでした。
唐津城
朱色の欄干が良いアクセントになっています。
ブラックジャックのリボンタイみたいです。
(調べたらアニメ版が赤で、漫画版は青でした。)
外から見た唐津城も良いです。
下記は西側の「石垣の道」と東側の対岸から見た唐津城です。
本丸からの景色と、天守閣からの景色です。
天守閣は元々なかったのですが、観光施設として1966年に建てられたそうです。
もっと昔からあったかのように、景色に溶け込んでました。
城がある風景はやっぱり良いですね。
街のシンボルです。
草野鎮永肖像画【落書】
No | 作家名 | 作品名 | 年 | 期間 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
– | – | 草野鎮永肖像画 | 江戸 | – | – |
カメラ目線が気になりました。
・草野鎮永
筑前高祖城主の原田隆種の次男。
1552年に肥前松浦の草野永久が跡継ぎのいないまま死去した為、養子に迎えられる。
後に松浦草野家の当主となる。
ユーリ!!! on ICE【アニメ】
2016年放送のフィギュアスケートのアニメです。
元々、フィギュアスケートが好きということもあり、面白かったですね。
場所は特に気にしてなかったので、知っているアニメのパネルを見た時には驚きました。
主人公の出身地が長谷津という架空の町で、唐津がモデルになっており、作中に似た風景が出てきます。
市のサイトでも紹介されていました。
天守閣には撮影用のパネルと、原案・キャラデザをされた久保ミツロウ先生のサイン入りポスターがありました。
藤棚近くの石段です。
アニメの該当シーンも紹介されています。
末盧館
唐津駅から西側にある博物館です。
建物は高床倉庫の形をしています。
ここは日本最古の稲作の遺跡である「菜畑遺跡」がある場所です。
1980年の発掘で縄文時代末期の水田跡が見つかったそうです。
知らなかったので「日本稲作発祥の地」はもっと宣伝して良い気がします。
敷地内には竪穴住居と水田が復元されています。
古代米の一つである赤米が育てられており、6月に田植祭、10月に収穫祭が行われているようです。
館内には当時を再現したジオラマを見れます。
旧唐津銀行「辰野金吾記念館」
建築家の田中実による設計で1912年に竣工しました。
元々は唐津出身の辰野金吾に依頼をしたそうですが、辰野が東京駅の工事中だった為、弟子の田中に委ねられました。
田中は師匠の故郷ということで煉瓦が特徴的な「辰野式」で設計したそうです。
外には辰野金吾と曽根達蔵の銅像があります。
曽根達蔵は辰野と同期で同郷の建築家です。
館内の様子です。
2階には辰野金吾関連の建物の模型を展示しています。
一部ですが画像は下記です。
名称 | 詳細 |
---|---|
大阪市中央公会堂 | 岡田信一郎の原案を基に、辰野金吾と片岡安が設計 |
福岡市赤煉瓦文化館 (旧日本生命保険株式会社九州支店) | 辰野金吾と片岡安の設計 |
旧唐津銀行 | 辰野金吾の弟子の田中実による設計 |
大阪市中央公会堂は以前、スケッチをしていたので、印象深いです。
旧三菱合資会社唐津支店本館
残念ながら修復中の為、閉館中でしたが、せっかくなので前まで行きました。
三菱丸ノ内建築所の保岡勝也による設計です。
当時の三菱の建築顧問が曽禰達蔵だった為、関与しているかもしれないそうです。
前述の旧唐津銀行でも辰野金吾とは別のコーナーに模型が展示されていました。
住宅街を歩いていると見えてきます。
心霊スポットの洋館みたいで、夜はちょっと怖そう。
ゾンビランドサガ【アニメ】
ゾンビがアイドルになるコメディアニメです。
見たことは無くて、名前だけ聞いたことありました。
「サガ」は物語の方かと思っていたら、佐賀のことだったんですね。
ここがアイドルの事務所のモデルになっているので、聖地の一つとなっています。
よく見ると、窓に人影が・・・。
キャラの人形かマネキンかな?
髪の色から察するに左から、源さくら、紺野純子、二階堂サキだろうか。
ちなみに、今回はバスで巡っていたのですが、レンタサイクルがアニチャリというものでした。
がっつり「ゾンビランドサガ」とコラボしています。
以上
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