【美術】企画展「藩主忠国が創った『源氏物語』遺跡と俳諧文学」明石市立文化博物館

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【美術】企画展「藩主忠国が創った『源氏物語』遺跡と俳諧文学」明石市立文化博物館
【美術】企画展「藩主忠国が創った『源氏物語』遺跡と俳諧文学」明石市立文化博物館

明石市立文化博物館で開催されている企画展です。
今年は大河ドラマの影響もあり、「源氏物語」に注目しているので行ってきました。

概要

展覧会期間
[企画展]
明石藩の世界Ⅻ
 -藩主忠国ただくにが創った『源氏物語』遺跡と俳諧文学-
「明石の君」パネル展示
 ~再現装束とあさきゆめみし~
2024/09/14 ~ 2024/10/14
[常設展]
常設展示室
[常設展]
明石市平和資料室

明石藩主松平家、家老の黒田家の資料を展示する企画展のシリーズです。
五代藩主の忠国は文学好きで、源氏物語ゆかりの地(想定地)に歌碑をなどを造りました。
源氏物語を中心とした明石の文学の歴史について知れる展覧会です。

構成

<藩主忠国が創った『源氏物語』遺跡と俳諧文学>
第1章 松平忠国と文学の舞台「明石」
(1)第五代明石藩主 松平忠国
(2)『源氏物語』と明石
(3)文学の舞台となった明石
(4)受け継がれる『源氏物語』
第2章 明石藩士黒田家資料と江戸時代の『源氏物語』受容
(1)明石藩士黒田家資料
(2)出版物の流行と『源氏物語』受容
(3)『偐紫田舎源氏にせむらさきいなかげんじ』の流行
第3章 俳諧文学と明石の俳人たち
(1)松尾芭蕉と明石
(2)蕉風俳諧の弟子たち
(3)明石の俳人「卜部起蝶うらべきちょう」と「西海千尋にしのうみせんじん

<「明石の君」パネル展示>
再現衣装
漫画「あさきゆめみし」のイラスト

<常設展示室>
テーマ1 明石のあけぼの
テーマ2 大昔の明石
テーマ3 畿内への入り口・明石
テーマ4 明石の焼き物
テーマ5 明石の農業
テーマ6 明石の漁業
テーマ7 明石城と城下町
テーマ8 のびゆく明石

<明石市平和資料室>
パネルと映像の展示

感想(企画展)

源氏物語に関連した展示品

No作家名作品名備考
5源氏物語絵巻 明石の君江戸後期第1章
6清原雪信きよはらゆきのぶ紫式部図江戸前期
8ー(原本は狩野探幽)源氏物語画帖(模写)
[参考]蔦の細道
[参考]明石の君のものと伝わる位牌
[参考]光源氏月見池
1955-1965
1333
1950
歌川豊国(三代)[参考]源氏香の図「須磨」「明石」1844
17引札 女三宮図おんなさんのみや  第2章
22五十四帖げんじすごろく江戸
23
作:柳亭種彦りゅうていたねひこ
画:歌川国貞
[拝領の記録]偐紫田舎源氏(初編~三編)
偐紫田舎源氏にせむらさきいなかげんじ
(表紙初編~二十編・廿二編・廿五編・廿六編)
1844
1829-1838
27歌川国貞艶源氏須磨宵月 四季景色之内秋1861
29歌川豊国(三代)足利満氏、尼かるも、侍女杦はへ1855
藤の方=藤壷
歌川豊国(三代)
作:柳亭種彦
画:歌川国貞
[参考]藤野方
[参考]偐紫田舎源氏(廿一編上)
1836
28歌川豊国(三代)明石ノ浦景あかしのうらけい1849-1854常設展示室

No.28「明石ノ浦景」は常設展示室にあります。
No.23「偐紫田舎源氏」の挿絵を元にした絵です。

明石ノ浦景
明石ノ浦景

源氏物語ゆかりの場所です。
鑑賞後に寄ってみました。

<善楽寺>
明石入道の浜辺の館があったとされ、石碑が立てられています。
・光源氏古跡明石之浦之浜之松の碑
・明石入道の碑

善楽寺
善楽寺

<無量光寺>
光源氏が月見をしたとされる寺です。
山門の左手にある蔦の細道は光源氏が明石の君の元へ通った道と言われています。
面影はほぼないですが、突き当りの角には少し蔦がありました。
蔦のトンネルとかあれば流行りそうです。
・源氏稲荷
・蔦の細道

<岩屋神社>
ここも光源氏が月見をした場所です。
・光源氏 月見の松

<光明寺>
ここも光源氏が月見をした場所です。
・光源氏月見乃池 (石碑)

朝顔光明寺
朝顔光明寺

朝顔光明寺(浄土真宗)と浜光明寺(浄土宗)があります。
どちらも正式には光明寺ですが、区別する為に上記の名称が使われています。

源氏物語にゆかりがあるのは朝顔光明寺の方です。


浜光明寺は歴史ある門があります。
向拝や虹梁の彫刻が凄いです。
あと、青い蝶がいました。

岡田東虎|俳諧花鳥帖 春之部【落書】

No作家名作品名備考
輯:田中其成
画:岡田東虎おかだとうこ
俳諧花鳥帖 春之部1805第3章
春之部
春之部
制作情報

[制作日]
2024年09月28日 鉛筆/色鉛筆

[道具]
・鉛筆
・色鉛筆
・ノート(リングノート)

岡田東虎(1755-1822)は明石出身の絵師です。
下からのアングルで描かれているのが珍しいです。

感想(「明石の君」パネル展示)

作家名作品名
実践女子大学明石の君 再現装束2023
大和和紀・漫画「あさきゆめみし」
 ・単行本4巻
 ・イラスト7点(印刷)
  「光源氏と明石の君」
  「明石の君」
・画集「あさきゆめみし絵巻」(上・下巻)
1979-1993:連載期間




1993/2016(新装版)
「明石の君」パネル展示
「明石の君」パネル展示

実践女子大学が再現した明石の君の衣装と、大和和紀先生による漫画「あさきゆめみし」が紹介されています。

衣装は白と萌黄色が綺麗です。

イラストが色鮮やかで綺麗でした。
「光源氏と明石の君」では燕子花かきつばたが描かれていて、琳派を思わせるデザインです。
日本画のことも色々調べて描いてそうです。
画集「あさきゆめみし絵巻」も置いてあるので、一見の価値ありです。

感想(常設展示室)

アカシゾウ/シカマシフゾウ

作品名備考
アカシゾウ
(アケボノゾウ)
後期鮮新世~中期更新世
(250万~70万年前)
テーマ1 明石のあけぼの
シカマシフゾウ
(鹿間四不像)
更新世
(190万~80万年前)
アカシゾウ/シカマシフゾウ
アカシゾウ/シカマシフゾウ

シカ科シフゾウ属の絶滅動物で、現在は「シフゾウ」が動物園にのみ残っており、野生は絶滅しています。
「不像」は「似ていない」という意味で、牛、馬、鹿、驢馬ろばの4種とも違うという意味になります。
「鹿間」は発見者の鹿間時夫しかまときお氏の名前です。

ちなみに、国立博物館にもシフゾウの剥製が展示されていたようです。
ニホンオオカミの左奥がシフゾウだったようです。
8月に行った時に顔だけ写り込んでいました。

籾痕のついた土器

作品名備考
籾痕のついた土器(複製品)弥生時代〜古墳時代テーマ1 明石のあけぼの
籾痕のついた土器
籾痕のついた土器

楕円形の籾殻っぽい跡があります。

市立伊丹ミュージアムにも「籾痕付きの壺」がありました。

ゆほびか

ゆほびか
ゆほびか

源氏物語に「明石の浦はゆほびかなる所」と書かれていて、博物館前にも石碑があります。

源氏物語との関りについての解説もありました。
光源氏が月見をする場面があり、明石は月の名所としても知られているようです。

ちなみに、松尾芭蕉が明石を訪れた際に詠んだ句が下記です。
「蛸壺や はかなき夢を 夏の月」

焼き物のうつりかわり

焼き物のうつりかわり
焼き物のうつりかわり

有名な陶器がどの時代のものかを確認できます。

イイダコ壺

作品名備考
イイダコ壺8世紀テーマ4 明石の焼き物
マダコつぼ(つりがねぐくり)
マダコつぼ(口ぐくり)
イイダコつぼ(アカニシ貝)
イイダコつぼ(ウチムラサキ貝)
テーマ6 明石の漁業
タコ釣り
イイダコ釣り
イイダコ壺
イイダコ壺

源氏物語ゆかりの場所です。

大阪にある和泉市いずみの国歴史館にもイイダコ壺がありました。
こっちは6世紀以前のものです。

刀、蒔絵刀掛

作品名備考
刀、蒔絵刀掛テーマ7 明石城と城下町
刀、蒔絵刀掛
刀、蒔絵刀掛

無銘ですが刀もありました。
鞘に納まっていたので、刀身も見たいですね。

楊洲周延|播州明石の月

村上暁人|明石の月

作家名作品名備考
楊洲周延ようしゅうちかのぶ播州明石ばんしゅう    の月1885
村上暁人むらかみぎょうじん明石の月1994

月見の季節にあわせて月の絵が展示されてました。

感想(明石市平和資料室)

明石の戦争に関する展示です。
市内にあった工場で戦闘機を造っていた為、空襲の標的になったようです。

・1945年にあった6回の空襲に関するパネル展示
 (被害の状況、明石市内の空襲跡地などの紹介)
・映像と漫画の展示
 実写ドラマ「七夕の願い~明石空襲~」
 上記ドラマの漫画版

漫画版は下記から見れます。


以上

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