東京にある国立科学博物館の地球館です。
初めての来館で、先に日本館を見てきたので既に疲労困憊です。
特別展「昆虫 MANIAC」(7/13~10/14)が開催中でしたが、今回は初めてで常設展が目的だったので、パスしました。
・国立科学博物館(日本館)
・国立科学博物館(地球館)/明治安田ヴィレッジ丸の内
概要
展覧会 | 期間 |
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常設展 | ー |
[巡回展] 博物館が支える 日本の生物多様性の保全 [パネル展] 皇居の生き物たち-環境 変化で何が起こっているのか?- (2023年の再構成版) | 2024/07/29 ~ 2024/08/16 |
地球館では地球全体の自然や生き物、日本の科学技術に関して展示されています。
地下1階の特別展示室では期間ごとに特別展が開催されます。
日本館と合わせると相当な規模になるので、体力と時間を考えて見る必要があります。
ゆっくり見ると半日ぐらいは余裕でかかります。
途中から流し見しても4時間以上かかりました。
レストランや飲食スペースは混雑しますが、総合案内で日付スタンプを貰えば再入場可能です。
感想(地球館)
湯川秀樹/高峰譲吉/上中啓三
人物名 | 資料名 | 年 | 備考 |
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湯川秀樹 | パネル | 1907-1981 | B3F:0.日本の科学者 |
高峰譲吉 | タカジアスターゼ送り状 | – | 〃 |
上中啓三 | アドレナリン実験ノート(複製) | 1900 | 〃 |
先月行った大阪大学総合学術博物館でも湯川秀樹の紹介がされていました。
日本を代表する科学者の一人です。
高峰譲吉は胃腸薬「タカヂアスターゼ」、ホルモン「アドレナリン」を発見した化学者です。
「タカヂアスターゼ」は、「新タカヂア錠」(第一三共ヘルスケア)などの薬で現在も残っています。
上中啓三は高峰の助手で、アドレナリンの発見に貢献しました。
原本の所蔵が西宮市にある教行寺になっていたので、気になって調べて見ると上中の出身地であり、菩提寺でした。
ガリレオ、ニュートン|望遠鏡
作家名 | 作品名 | 年 | 備考 |
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ガリレオ・ガリレイ(1564-1642) アイザック・ニュートン(1642-1727) | 望遠鏡 反射望遠鏡 | – | B3F:2.宇宙を探る |
日本館では日本で使われた望遠鏡が展示されてましたが、こちらはガリレオとニュートンです。
二人とも自分で製作までしていたようです。
パラケラテリウム/バシロサウルス/ティロサウルス
展示品 | 年 | 備考 |
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右:ティロサウルス・プロリゲル 肉食海生爬虫類 中:バシロサウルス・ケトイデス 原始的クジラ類 | 白亜紀後期 (8300万年前) 始新世後期 (3800万~3400万年前) | B2F:7.水に戻った四肢動物 |
左:パラケラテリウム 哺乳類サイ類 | 漸新世後期 (3400万~2300万年前) | B2F:6.陸上を支配した哺乳類 |
恐竜の化石かと思ったら違いました。
恐竜はB1Fでした。
でも、迫力があって良いです。
マンモスの骨を利用した住居
展示品 | 年 | 備考 |
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マンモスの骨を利用した住居 | 1万~8000年前 ※レプリカ | B2F:9.人類の進化 |
ウクライナにあるメジリチ遺跡をモデルに復元したものです。
一見、不気味にも見えますが、マンモスの骨は住居の骨組みに使えそうです。
恐竜/始祖鳥
展示品 | 年 | 備考 |
---|---|---|
右:トリケラトプス 左:ティラノサウルス | 白亜紀後期 (1億50万~6600万年前) | B1F:1.恐竜の謎を探る |
右:スコロサウルス 左:ステゴサウルス | 白亜紀後期 (1億50万~6600万年前) ジュラ紀後期 (1億6350万~1億4500万年前) | B1F:2.鳥盤類恐竜の進化 |
始祖鳥 | ジュラ紀後期 (1億6350万~1億4500万年前) | B1F:1.恐竜の謎を探る |
恐竜の化石はワクワクしますね。
博物館の中でも人気のある場所だと思います。
海洋生物(ジンベエザメなど)
展示品 | 年 | 備考 |
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海洋生物(ジンベエザメなど) | – | 1F:7.海洋生物の多様性 |
ジンベエザメがいました。
1Fには壁から天井まで生物が沢山います。
田中久重|万年時計
作家名 | 作品名 | 年 | 備考 |
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田中久重 | 万年時計 | 1851 | 2F:1.科学技術への誘い |
日本館でも時計の展示があった田中久重です。
七宝、螺鈿、金属工芸など伝統工芸の塊です。
田中久重の時計は日本館にも展示されています。
庶民の和算書
作家名 | 作品名 | 年 | 備考 |
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ー | 改算塵劫記 | 文化年間? 1804-1818 | 2F:2.江戸時代の科学技術 |
澤井随山? | 女文章宝鑑 | 1775 | 〃 |
算法出世宝大全 | 1834 | 〃 |
塵劫記は小説「天地明察」にも登場してます。
日本館でも登場した渋川春海が主人公の小説です。
改訂版みたいなのが沢山あるようですが、国書データベースのデータを見ると下記の「文化訂正改算塵劫記」に同じ絵があります。
佐州金銀採製全図
作家名 | 作品名 | 年 | 備考 |
---|---|---|---|
ー | 佐州金銀採製全図(複製) | 幕末 | 2F:2.江戸時代の科学技術 |
「吹方」、「大吹所」という言葉が出てきます。
灰吹法と呼ばれる鉱石から金や銀を取り出す技法からきている言葉ですね。
灰吹法は石見銀山に行った時に知りました。
下記で他の場面も見れます。
「灰吹師」、「灰吹床」なる言葉も出てきます。(30/65頁)
本草学、博物学の書物
作家名 | 作品名 | 年 | 備考 |
---|---|---|---|
貝原益軒 | 大和本草 | 1709-1715 | 2F:2.江戸時代の科学技術 |
口述・校正:小野蘭山 筆記:小野職孝 | 重訂 本草綱目啓蒙 | 1847 | 〃 |
平賀源内 | 物類品隲 | 1763 | 〃 |
木内石亭 | 雲根志 | 1773-1801 | 〃 |
大和本草は日本最初の本草学の書です。
大元は明の医師・学者である利時珍が書いた「本草綱目」です。
「本草綱目」を小野蘭山が講義し、孫の職孝がまとめたものが「本草綱目啓蒙」です。
日本で「本草綱目」以外の分類を最初に紹介するのは飯沼慾斎です。
日本館で登場します。
「雲根」は石のことで、木内石亭は江戸時代の学者で石を収集したことで知られ、考古学の先駆者とも言われています。
医学関連
作家名 | 作品名 | 年 | 備考 |
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ー | 神農図 | 江戸末期 | 2F:2.江戸時代の科学技術 |
ー | 房事養生鑑 | 1847 | 〃 |
ー | 飲食養生鑑 | 1763 | 〃 |
ー | 鍼灸道具 | 1773-1801 | 〃 |
ー | 銅人 | 江戸末期 | 〃 |
銅人は鍼灸の学習用に使われた人形で、経絡やツボが描かれています。
江戸時代に明から伝わった「銅人形」が元になっています。
「銅人形」は日本でも作られれるようになり、独自の経絡人形も作られるようになったようです。
エレキテル(複製)
作家名 | 作品名 | 年 | 備考 |
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平賀源内 | エレキテル(複製) | 1776年頃 | 2F:2.江戸時代の科学技術 |
口述:橋本曇齋 筆記:平田稔(則政) | 阿蘭陀始制 エレキテル究理原 | 1811 | 〃 |
有名なエレキテルです。
平賀源内が発明した、発見したと誤解されることもあるが、長崎で手に入れたエレキテルを修理(復元)したのが正しいです。
エレキテル究理原には手をつないで電気を通すヤツが載っています。
今でも時々TVでやってますね。
岡崎文次|FUJIC
作家名 | 作品名 | 年 | 備考 |
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開発:岡崎文次 製造:富士写真フイルム | 真空管式計数型電子計算機 FUJIC | 1956 | 2F:5.新たな日本の科学技術の発展 |
先月行った大阪大学総合学術博物館で同時期に作られていた「大阪大学真空管計算機」が展示されていて、「FUJIC」も解説で紹介されていました。
野生大型獣、絶滅動物
動物 | 備考 |
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(手前の右から) アフリカスイギュウ ジャイアントイランド バンテン | 3F:1.進化の頂点・野生大型獣 |
ニホンオオカミ | 3F:5.絶滅の淵で |
薄暗い雰囲気もあってか、目の前に広がった瞬間、迫力があります。
ニホンオオカミの剥製は今回行くきっかけになったものです。
TVである中学生が科博で「ヤマイヌの一種」として保管していた剥製をニホンオオカミだと発見したことを紹介していて、気になりました。
※常設展示しているニホンオオカミとは異なる
感想(明治安田ヴィレッジ丸の内)
動物 | 備考 |
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ツクバハコネサンショウウオ | CR:絶滅危惧IA類 |
クニマス | EW:野生絶滅 |
コシガヤホシクサ | EW:野生絶滅 |
サクラソウ | NT:準絶滅危惧 |
静嘉堂文庫美術館に行った時に、たまたま展示されていたので、ここに書いておきます。
環境保全に関する展示です。
明治安田が科博の研究活動を支援している為、コラボイベントをやっているようです。
以上
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