京都市上京区、御苑から北西へ少し行った所にあるお寺です。
本阿弥光悦、長谷川等伯にゆかりがあります。
概要
展覧会 | 期間 |
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[寺宝展] 令和6年 春季特別寺宝展 大涅槃図開帳 波龍図公開 長谷川等伯 | 2024/03/14 ~ 2024/04/15 |
[切り絵展] 切り絵師 尾之善 春季切り絵展 | 2024/03/14 ~ 2024/04/15 |
日蓮宗のお寺で、ご本尊は三宝尊です。
日親により1436年に創建されました。
・日親(1407-1488)
上総国(現在の千葉県)出身の日蓮宗の僧。
他宗を批判し、6代将軍の足利義教(足利家は禅宗)も改宗させようとするなど、過激なことをしていた為、1440年には投獄、拷問を受けた。
その際、熱い鍋を被せられたまま説法を説いたことから、「鍋かぶり上人」、「鍋かぶり日親」などと呼ばれた。
他宗を批判するのは日蓮宗の伝統ですね。
そんな人ばかりではないことはわかっていますが、日蓮宗の悪い所です。
本阿弥光悦の曾祖父である本光が日蓮宗の信者となってから本法寺が本阿弥家の菩提寺となりました。
本光が色々あって投獄されている時に獄中で日親上人に教化されたようです。
長谷川等伯も日蓮宗の信者だったようです。
狩野派という既存の大組織に立ち向かうという状況は、日蓮宗に通ずるところがあるかもしれません。
・長谷川等伯(1539-1610)
安土桃山から江戸初期にかけて活躍した日本画家。
初期の頃は「信春」の号を使用していた。
能登国七尾(現在の石川県)出身で、下級武士の奥村家に生まれる。
染物屋であり、雪舟門下の等春の門人である長谷川宗清(宗浄)の養子となる。
等春から直接学んだ記録は無いが、「信春」と「等伯」の1字は等春から取ったとされる。
自身を「雪舟五代」を称し、雪舟の正当な後継を主張。
長谷川派の始祖としてを狩野派に対抗する存在となる。
感想「寺宝展」
長谷川等伯|佛涅槃図【落書】
No | 作家名 | 作品名 | 年 | 期間 | 備考 |
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1 | 長谷川等伯 | 佛涅槃図 | 1599 | ー | 宝物館1階 |
穏やかな顔をしています。
縦10m、横6m程の巨大な画です。1階と2階から見ることができます。
普通の美術館では展示が難しそうなので、他では中々見れないと思います。
複製でも見応えがあるので、一見の価値ありです。
長谷川等伯|日堯上人像/波龍図屏風
No | 作家名 | 作品名 | 年 | 期間 | 備考 |
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8 | 長谷川等伯 | 日堯上人像 | 1572 | ー | 宝物館2階 |
10 | 長谷川等伯 | 波龍図屏風 | 16-17世紀 | ー | 宝物館2階 |
痩せ型の繊細そうな感じ。
等伯が上洛した時の本法寺の住職でした。
龍の身体はぼかしたような表現で描かれていて、荒々しさとは異なる雄大な迫力があります。
感想「拝観/切り絵展」
拝観受付入口/獅子衝立
No | 作家名 | 作品名 | 年 | 期間 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
– | 山?渡辺省? | 獅子衝立 | – | ー | 狩野永?門人 |
入口の下駄箱奥に獅子の絵が描かれた衝立があったので、メモしました。
が、字が汚くて思い出せない。
渡辺省亭ではなかった気がします。
十の庭/唐門
綺麗な枯山水の庭です。
九つの石があり、見てる人の心の意志(石)を合わせて十という意味です。
「十」を「つなし」と読むのは一から九まではひとつ、ふたつ、と「つ」が付きますが、十はつかないので、つ無し、という由になります。
開山堂/切り絵師 尾之善 春季切り絵展
開山堂の中では尾之善氏の切り絵展が開催中です。
周りにも切り絵の行燈が飾られています。
良い雰囲気です。
切り絵の行燈っぽいものは工作したことがあるので、懐かしい。
開山堂の外(浜縁)には座布団が敷かれていて、ゆっくり花見を楽しめます。
うーん、お茶と菓子が欲しくなります。
書院/花鳥図屏風/富士山の絵/巴の庭
No | 作家名 | 作品名 | 年 | 期間 | 備考 |
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– | 渡邊省亭 | 花鳥図屏風 | 明治~大正 | ー | 書院 |
– | 富士市妙永寺二十七世両渓 | 富士山の絵 | ー | ー | 書院 |
– | 本阿弥光悦 | 巴の庭 | 安土桃山~江戸 | ー | 書院 |
綺麗な花鳥画でした。
妙永寺は静岡県にある日蓮宗のお寺です。
同じ宗派ですので交流があるのでしょう。
書院の外が巴の庭です。
座ってゆっくり眺めることができます。
パノラマで取ってみた。
廊下を跨いで右端には光悦のつくばい、左端には花手水がありました。
巴の形をした築山が3つあることから、「三巴の庭」とも呼ばれています。
感想「境内」
仁王門
正門は東側です。
西の堀川通が大きい通りなので、逆から入りました。
西側は門が無く、駐車場があります。
奥に見えるのは本堂(裏側)です。
本堂/光悦翁手植之松/長谷川等伯像
本堂の左側には「光悦翁手植之松」と「長谷川等伯像」があります。
細い字で書かれていて、源氏物語の幽玄な雰囲気を意識しているのかも。
多宝塔
多宝塔です。
花頭窓の周りに花白緑のような色が塗られていて、良いアクセントになっています。
摩利支尊天堂/摩利の庭
摩利支天は古代インドの女神マーリーチが元になっており、陽炎が神格化したものです。
護身や勝利、開運などの御利益があり、多くの武士にも信仰されたようです。
猪は摩利支天の使いと言われています。
堂内の奥にある「摩利の庭」は前衛的なデザインで面白かったです。
以上
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