2023年3月に読んだもの、または思い出した漫画の感想です。
主に完結しているものを中心に書きます。
No | 作品名 | 著者 | 出版社 | 巻数 | 評価 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 魔法使いの娘 魔法使いの娘ニ非ズ | 那州雪絵 | 新書館 | 全8巻 | B | 2002~2009年 月刊ウイングス→ウイングス(隔月) 2010~2017年 ウイングス |
2 | フルーツバスケット another | 高屋奈月 | 白泉社 | 全4巻 | A | 2015~2021年 花とゆめONLINE/マンガPark/ アニメパッケージ特典まんが |
3 | リバイアサン | 黒井白 | 集英社 | 全3巻 | B | 2022~2023年 少年ジャンプ+ |
4 | 春の呪い | 小西明日翔 | 一迅社 | 全2巻 | B | 2015~2016年 月刊コミックZERO-SUM |
5 | いくさの子 織田三郎信長伝 | 作画:原哲夫 原作・原案:北原星望 | コアミックス | 全20巻 | B | 2010~2022年 月刊コミックゼノン |
魔法使いの娘
ホラーという程ではないですが、心霊ものの漫画です。
「魔法使い」とありますが、内容は陰陽師です。
まぁ、悪くない、と言ったところです。
作者の那州雪絵先生は花とゆめで連載していた「ここはグリーン・ウッド」が代表作です。
主人公の鈴の木初音は養父である陰陽師の鈴の木無山と暮らしています。
無山は仕事で家にいないことが多く、生活能力もない為、初音が高校に通いながら家事全般をやってるような状態です。
日常のやり取りはコメディの要素が強いですが、霊や魔物と対峙する時は命にも関わってくるのでシリアスな展開になります。
初音は無山の仕事に巻き込まれながら、無山や実の両親のことを知っていき、両親の死の真相に迫っていく・・・というのが本編になります。
続編の「魔法使いの娘ニ非ズ」は初音の卒業後で、陰陽師の仕事をする話になります。
基本的には一話完結で、依頼を解決してく流れです。
話の終わりに思わせぶりなコマが説明もなく描かれたりして、若干もやっとすることたまにありましたが、話自体はちゃんと面白く読めました。
最後は無山も戻って大団円の方が良かったかな。
【美術情報】河井寛次郎など
・魔法使いの娘ニ非ズ 4巻 第16話「石の中から」
芸術大学の彫刻科を舞台にした話でした。
扉絵にはサモトラケのニケが描かれています。
話の中ではミケランジェロと陶芸家の河井寛次郎の名前が出てきます。
河井寛次郎の言葉が話の内容に通ずるものとして引用されていました。
私は木の中にいる 石の中にいる ~略~
河井寛次郎「手考足思」
私はそれを掘り出したい 出してやりたい
フルーツバスケットanother
人気漫画「フルーツバスケット」の続編で、本編の子供達のストーリーになります。
主人公の三苫彩葉は草摩家とは関係無く、完全に新しいキャラです。
呪いが解けた状態のフルーツバスケットはどうだろうと思ったけど、面白かったです。
世代は代わってますが、基本的にキャラの構成は似た感じでした。
なので、フルーツバスケットのラブコメが好きだったら間違いないです。
2巻の服を返しに行く所が一番笑った。
暗い要素としては彩葉の母親が毒親であることと、慊人絡みの話が多少あります。
慊人絡みは本編からの流れもあるので仕方ないですが、彩葉の母親は読んでいてしんどいです。
そこだけは後味が悪くて気になる点ですね。
元々、全3巻で終わってましたが、追加で4巻が2022年に発刊されました。
3巻の1年後位に配信されたanotherの話に、本編の番外編とBlu-ray&DVDの特典まんが、描き下ろし6Pを追加した1冊になります。
個人的には母親問題をスッキリしたかったので、そういう話を another の4巻として見たかったかな。
本編の番外編は別で1冊にしてくれた方が、タイトルと内容がわかりやすい。
リバイアサン
フランス向けに描かれた漫画で、逆輸入という形でジャンプ+で配信されました。
絵はリアル系で細かく描き込まれた画風です。
「AKIRA」の大友克洋先生や、「風の谷のナウシカ」の宮崎駿先生の絵が近いかな。
なので、漫画としては少し読み難さもあります。
話は宇宙船の盗掘屋が漂流していた廃船で手帳を発見した所から始まり、船で何があったかを回想していくことになります。
手帳には事故が起きたことが書かれており、連絡も取れなくなります。
宇宙での密閉空間はSFとしては定番の設定ですが、特徴としてはコールドスリープが1名分あることです。
そこから始まる過酷なサバイバルがこの漫画の見所ですね。
気持ちのいい話ではないですが、最後には「実は・・・」みたいなこともあるので、一読の価値はあるかと思います。
春の呪い
亡くなった妹の婚約者と付き合い始めるという、独特の始まり方です。
自分ではあまり選ばないタイプですが、TV番組のマンガ沼で紹介されていて、気になったので読みました。
もっと毒があったり、人間関係がドロドロしたものかと思っていましたが、思っていたほどでは無かったので、読みやすかったです。
設定上、罪悪感やら人間関係の悪化などの負の要素はあるものの、読後感も悪くなかったです。
シリアスありで少し変わった人間ドラマに興味があれば読んでみてもいいかも。
いくさの子
桶狭間の戦いまでを描いた戦国物の漫画で、尾張での戦いが中心になります。
信長の話は桶狭間以降が有名なので、尾張内でのいざこざを詳しく描いているのは珍しいかもしれません。
原哲夫の戦国物なので基本的な面白味は「花の慶次」と同じです。
強さに関しては「花の慶次」の方が過剰でした。
19巻でいよいよ今川義元と雌雄を決する「桶狭間の戦い」の話になります。
決戦前の両家の様子が描かれているのですが、前半で今川家、後半に織田家の順番で、それそれの最期のページで義元と信長が「桶狭間か!」と同じセリフで締める演出が熱かったです。
ここまでくるのに18巻分かかっているので、感慨深いものがありました。
本番の戦自体は短期決戦だったので、漫画的には若干物足りなさはあります。
まぁ、歴史物なので、そこは仕方がないですね。
ただ、最終回は戦いが終わって数頁であっさり完結だったので、もう少し余韻が欲しかった
以上
コメント