奈良市にある大安寺です。
日本初の官寺で、南都七大寺の一つでもあります。
1月、6月にある「癌封じ笹酒祭り」が有名のようです。
奈良時代の姿は残っていませんが、CGで復元した姿を讃仰殿で見ることができます。
・官寺
天皇発願による国立の寺。
・南都七大寺
奈良時代に朝廷から保護を受けた7つの寺院。
東大寺、興福寺、元興寺、大安寺、西大寺、薬師寺、法隆寺。
概要
展覧会 | 期間 |
---|---|
[常設展] 祈りの歴史/讃仰殿/よみがえる天平伽藍 | ー |
[特別拝観] 秘仏本尊十一面観音立像特別開扉 | 2023/10/01 ~ 2023/11/30 |
本堂と宝物殿(讃仰殿)は期間によって、拝観料が変わります。
期間 | 拝観料 (高校生以下) | 詳細 |
---|---|---|
通常 | 600円 (300円) | ー |
特別開扉 3月、10~11月 | 800円 (500円) | 3月:馬頭観音立像(嘶堂) 10~11月:十一面観音立像(本堂) |
大安寺は聖徳太子が発願し、舒明天皇の代に建立された寺です。
奈良時代には国家筆頭の寺として東大寺、興福寺と並ぶ大寺で、「南大寺」の別名もありました。
菅原道真、最澄、空海など、名だたる人物がここで学んでいます。
ただし、平安末期の大規模な火災から衰退が始まり、慶長伏見地震で伽藍の殆どが失われます。
現代の形に再興されるのは明治以降になります。
西塔と東塔は礎石だけが見れるだけですが、これだけで当時の規模の大きさがうかがえます。
この日(11/3)は国際縁日というイベントをやっていて、沢山の人で賑わっていました。
アジアの色んな国の人が集まって、音楽や屋台などが境内に並んでいました。
リーズナブルでアジアのご当地グルメが楽しめて良い感じのイベントでしたね。
■略歴
年 | 内容 |
---|---|
617 | 聖徳太子が熊凝村に精舎を建立 |
639 | 舒明天皇が百済大寺を建立 ※日本最初の官寺 |
675 | 高市に移る |
677 | 高市大寺が大官大寺となる |
694 | 藤原京へ遷都 |
711 | 大官大寺が藤原京と共に焼ける |
716 | 平城京へ移る |
745 | 大官大寺が大安寺となる |
784 | 長岡京へ遷都 |
949 | 西塔が落雷で焼失 |
1017 | 伽藍の殆どが焼失 |
1090~1116 | 金堂、中門、塔などが再建(以降は衰退) |
1253 | 修理 |
1596 | 慶長伏見地震により伽藍の殆どが壊滅 |
1882 | 奥山慶瑞、佐伯泓澄により小堂と庫裏が建立 |
1922 | 本堂が再建 |
1963 | 讃仰殿が建てられる |
境内の至る所にだるまが置いています。
これはおみくじとして売られているもので、持ち帰ってもいいし、置いて帰ってもいいようです。
巡回展
・なし
感想「常設展」
展示のメインは讃仰殿の仏像7体です。
宝物殿なので、もう少し宝物の展示品があった方が良かったかな。
第1室 祈りの歴史
No | 作家名 | 作品名 | 年 | 期間 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
– | ー | 大安寺伽藍縁起并流記資財帳 | 747 | ー | ー |
大安寺の創建の由来や、仏像、経典などが記載された書物です。
仏像以外では宝物と呼べるのはこれ位かな。
あとは年表や解説が書かれたパネルがありました。
讃仰殿(天平の御仏)【落書】
No | 作家名 | 作品名 | 年 | 位置 |
---|---|---|---|---|
– | – | 不空羂索観音立像 | 奈良時代 | ○○○●○○○ |
– | – | 聖観音立像 | 奈良時代 | ○○●○○○○ |
– | – | 楊柳観音立像 | 奈良時代 | ○○○○●○○ |
– | – | 増長天王像 | 奈良時代 | ●○○○○○○ |
– | – | 広目天王像 | 奈良時代 | ○●○○○○○ |
– | – | 多聞天王像 | 奈良時代 | ○○○○○●○ |
– | – | 持国天王像 | 奈良時代 | ○○○○○○● |
聖観音と楊柳観音の首に瓔珞と呼ばれる飾りがあるのですが、よく見ると身体と一緒に彫られたもので、身体と一体化していました。
この2体は腕が長く、肘の位置が腰の下にきていて、誇張されたような表現です。
他の仏像は肘が腰の上にあるので、自然なサイズ感でした。
造られた時代が違うのかもしれません。
後補もあるので、部分的な違いもありそうです。
聖観音は手にシワがあるが、楊柳観音にはありませんでした。
うーん、これは感情線と頭脳線か・・・?
第2室 よみがえる天平伽藍
瓦などの発掘品と、CGで再現した天平時代の大安寺をPCで見ることができます。
CGが出来たら、次はVRやARスマホアプリかな。
感想「秘仏本尊十一面観音立像特別開扉」
十一面観音立像
No | 作家名 | 作品名 | 年 | 期間 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
– | ー | 十一面観音立像 | 奈良時代 | ー | ー |
大安寺のご本尊です。
重要文化財です。
上部に幕があった為、ご尊顔は下から拝ませていただきました。
穏やかな表情をされていました
奈良時代のものですが、頭部や手は後補の部分があるようです。
確かに、画像で見ても材質が違うように見えます。
以上
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